冷蔵庫の音がうるさいと感じたことはありませんか?特に静かな環境や夜間では、意外と気になることがあるかもしれません。
冷蔵庫の音がうるさい場合、音の種類によって原因が特定できるケースがあります。原因を確認したら、それぞれにあった対策を講じることが大切です。
この記事では、冷蔵庫がうるさい原因や対策方法などを解説するとともに、冷蔵庫の買い替えのコツも紹介します。冷蔵庫の異音でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
<目次>
冷蔵庫の音がうるさいとき、どのような音がするかを調べると、原因を解明できる場合があります。まずは音の種類を見極め、原因を特定したうえで対策を検討することが大切です。
ここからは、冷蔵庫の音の種類と考えられる原因を解説します。
「ブーン」「ジー」といった低い音は、冷蔵庫内のコンプレッサーの振動音です。コンプレッサーは、冷媒を圧縮して冷気を作る装置で、冷蔵庫の心臓部ともいえる重要な部分です。
夏場など気温が高い時期には、外気温の影響でコンプレッサーの稼働率も上がり、冬場に比べて振動音が増えることがあります。音が一定の間隔で聞こえる程度であれば正常で、特に問題ありません。
一方で、音が異様に大きかったり、常に音が聞こえたりする場合は、コンプレッサーに不具合が生じている可能性があります。
「カラカラ」といった音は、冷蔵庫内の冷却ファンの稼働音です。冷却ファンは、冷蔵庫のドアを閉めている間に稼働し、開けると停止します。ドアを開けた際に音が止まる場合、冷却ファンの動作音であると考えられるでしょう。ただし、冷却ファン自体が劣化していたり、部品が外れかけていたりすることで、不具合が生じている可能性もあります。
また、霜取り装置が壊れてファンに霜が接触し、「カラカラ」と音がしているケースもあります。
「カタカタ」と音がする場合、コンプレッサーの振動でドアポケット内の瓶類が共振している可能性があります。瓶類の収納場所を変えると、音の発生を抑えられるでしょう。
冷蔵庫から「ガタガタ」と音がする場合、冷蔵庫が周囲の壁や物に接触しているのが原因かもしれません。あるいは、冷蔵庫の上に物を置いている場合も異音が発生するケースがあります。
また、設置場所が不安定だと冷蔵庫自体がぐらついて音がすることもあるでしょう。長年同じ場所に設置していると、床がへこんで冷蔵庫が傾く場合があるため、足の高さを調整したり、設置場所を変更してみたりするのがおすすめです。
冷蔵庫から聞こえる「キュルキュル」といった音は、圧縮された液体フロンが膨張弁を通過する際に生じます。冷媒である液体フロンは温度を保つのに庫内を移動するため、この音がしても故障ではありません。
ただし、普段より音が大きな場合や、ファンが擦れるような音がする場合は、部品の劣化や故障の可能性があります。その際は修理や交換を検討しましょう。
「コンコン」とノックのような音が聞こえるのは、ダンパーサーモ(サーモスタット)の稼働音です。ダンパーサーモとは、庫内の温度を調整するための制御装置のことです。気温が高い日に庫内の温度が上がると、ダンパーサーモの稼働率が上がり、音が頻繁に聞こえやすくなります。
庫内の温度調整が終われば自然に音は止まりますが、いつまでも止まらない場合は故障の可能性が考えられます。ダンパーサーモが故障すると、冷蔵庫が冷えすぎたりまったく冷えなくなったりすることがあるため、注意が必要です。
冷蔵庫の振動音がほかの部屋まで伝わるほど大きい場合、制振材が劣化している可能性があります。制振材とは、コンプレッサーの振動を抑えるためのゴム製の部品です。
制振材に歪みや欠けがあったり、制振材自体が外れてしまったりすると、周りの部品とぶつかって振動が伝わり、異音がするケースがあります。
ここまで紹介した音に当てはまらず、明らかに異音がする場合は、冷蔵庫の寿命が原因の可能性が考えられます。一般的に冷蔵庫の寿命は10~14年程度とされ、それを超えると不具合が発生しやすくなります。
冷却効率の低下や水漏れなど、異音以外のトラブルが発生する可能性もあるため、購入してから年数が経っている場合は買い替えを検討するのがおすすめです。
ここからは、冷蔵庫の音がうるさいと感じたときの対策を原因別に紹介します。
庫内の冷却効率が低下すると、コンプレッサーの稼働率が上がり、結果的に振動音が発生しやすくなります。庫内に食材を入れすぎると冷却効率が下がるため、標準容量の8割以下を目安に収納するようにしましょう。
また、ドアのゴムパッキンが汚れていると冷気が逃げやすくなり、コンプレッサーが頻繁に作動する原因になります。ゴムパッキンは、濡らしたキッチンペーパーなどで定期的に掃除するようにしてください。
さらに、冷蔵庫と周囲の壁や物との距離が近いと放熱できず、冷却効率の低下につながります。冷蔵庫の裏側や壁との隙間にゴミやホコリがたまっている場合も同様です。冷蔵庫の周辺や上のスペースを空け、掃除も欠かさないことが大切です。
まずは冷蔵庫内の冷却ファンの周辺を確認してください。冷却ファンにビニール袋やプラスチックのトレイなどの異物が触れていたら、安全のために冷蔵庫の電源を切ってから取り除きます。
霜が冷却ファンに接触していた場合は、以下の手順で霜取りを行ないましょう。
【霜が薄い場合】
1. 庫内の食材を外に出す
2. 40度程度のぬるま湯でタオルを濡らし、固く絞る
3. タオルで霜を拭き取る
【霜が厚い場合】
1. 霜が溶けて水浸しにならないよう、冷蔵庫周辺にタオルを敷く
2. 食材を外に出し、クーラーボックスなどに移す
3. 冷蔵庫の電源を切る
4. 霜が自然に溶けるまで8~10時間放置する
5. 庫内の水分を乾いたタオルで丁寧に拭き取る
6. 庫内が乾いたら電源を入れる
7. 5~6時間後、庫内が完全に冷えたら食材を戻す
霜を取り除いても音が止まらず、霜が再び発生し続ける場合は、冷却ファンや霜取り装置が故障している可能性があります。その場合は、メーカーに修理を依頼しましょう。
ダンパーサーモの故障は、素人には判断が難しい部分です。音が止まらない場合は、メーカーに問い合わせて点検や修理を依頼するのが賢明です。庫内の温度調整がうまくいかないと、不要な電力を消費する可能性もあるため、早めの対処をおすすめします。
制振材はコンプレッサーの内部にある部品で、素人には状態を確認するのは困難です。このような場合は、メーカーに点検・修理を依頼するようにしましょう。
冷蔵庫の設置場所が不安定だと、傾きやぐらつきによる音が発生しやすくなります。また、壁や物に接触していると音が生じる場合もあるため、周りのスペースに余計なものが置かれていないかを確認しましょう。
冷蔵庫は非常に重い電化製品ですが、キャスター付きなら簡単に移動できます。多くのキャスター付き冷蔵庫は下部にフタがあり、外すとストッパーが見えます。反時計回りに回して徐々に持ち上げれば、あとは押すだけで簡単に移動することが可能です。
冷蔵庫を10年以上使用している場合、この機会に買い替えを検討するのもおすすめです。購入から時間が経過すると、修理を依頼しても部品がなかったり、再度故障したりする可能性も考えられます。不具合が出てきたタイミングで、思い切って買い替えを検討するのも一つの方法です。
原因が特定できない場合は、まずメーカーのホームページを確認してみましょう。異音の原因や対策が載っていることがあります。
また、以下の簡単な対策を試してみるのもおすすめです。
● 冷蔵庫のコンセントを抜いてしばらく時間を置き、再び差し込む:動作がリセットされ、音が改善される可能性がある
● 防音マットを敷く:冷蔵庫の振動が抑えられ、音が軽減される可能性がある
これらを試しても音が止まらない場合は、早めにメーカーに問い合わせましょう。特にメーカーの保証期間内であれば、無料で修理できる可能性もあるため、保証内容も確認してみてください。
冷蔵庫からうるさい音がするようになり、買い替えを検討している場合は、静音性の高いモデルを選ぶのをおすすめします。静音性に優れた冷蔵庫を選ぶ際には、以下のポイントを意識してみてください。
一般的な冷蔵庫の運転音は30~40dBといわれています。静音性を求めるなら、25dB以下のモデルを選ぶのがおすすめです。なお、40dBは静かな住宅地や図書館、30dBは深夜の郊外、20dBは木の葉のふれあう音に相当します。
さらに静音性にこだわる方は、コンプレッサー式ではなく、より静かなペルチェ式の冷蔵庫を選んでもよいでしょう。ペルチェ式はホテルの客室などで多く使われていて、20dB以下のモデルもあります。
冷蔵庫の冷却方式には「直冷式」と「ファン式」の2種類があります。
● 直冷式:冷蔵庫を冷やす冷却器が庫内に付いているタイプ。一人暮らし用の冷蔵庫やミニ冷蔵庫に多い冷却方式
● ファン式:庫外にある冷却器の冷気をファンの風で庫内に送るタイプ。おもにファミリー向けの冷蔵庫に使われる
直冷式のほうが静音性に優れているうえ、価格や電気代も安い傾向にあります。ただし、霜が付きやすいなどの難点もあるため、状況に合わせて選んでみてください。
冷蔵庫からの異音にはさまざまな種類があります。どのような音がするかによって原因をある程度特定できる場合があり、まずは音を聞いて原因を探る必要があります。
コンプレッサーが原因と思われる場合は、庫内に食材を入れすぎないようにし、冷却ファンが原因の場合は、周辺に異物が接触していないかを確認することが大切です。
また、冷蔵庫を10年以上使用している場合、この機会に買い替えを検討するのもおすすめです。買い替える際には、静音性の高い25dB以下のモデルや、静音性が高く価格も安い傾向にある直冷式の冷却方式を採用したタイプを選択肢に入れてみるとよいでしょう。
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