冷蔵庫(直冷式)の霜取りが欠かせない理由とは?ケース別の霜取り方法やNG行為も解説

庫内の水分が凍りやすい直冷式の冷蔵庫は、定期的な霜取りが欠かせません。

直冷式の冷蔵庫の霜は、こまめに取り除かないと庫内が狭くなるだけでなく、冷却効果の低下を招く可能性があります。また、霜が厚くなるとドアが開閉しにくくなり、無理に開けようとすると故障や破損の原因になることも。

霜取りの方法は、霜の状況によって手順が異なります。霜が薄い場合は電源を切らずに処理できますが、霜が厚い場合は電源を切り、自然に溶けるのを待つ方法が有効です。

この記事では、冷蔵庫に霜が付く原因や霜取りの手順、霜取りの手間が省ける冷蔵庫の種類などを紹介します。冷蔵庫の霜取りについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.冷蔵庫に霜が付いてしまう原因とは?

ここからは、冷蔵庫に霜が付くおもな原因を解説します。

結露

冷蔵庫のドアを開閉すると、外の温かい空気が庫内に入り込み、冷えた空気とぶつかって温度差により結露が発生します。この結露が内壁に付着し、凍ることで霜になります。

特に頻繁にドアを開閉したり、長時間開けたままにしたりすると結露が増え、結果的に霜が発生するため注意しましょう。

吹き出し口の詰まり

冷蔵庫には、吹き出し口(冷風の出口)が設けられており、ここにゴミやホコリが詰まったり、吹き出し口付近に食品を詰め込みすぎたりすると、十分な冷風を送れなくなります。その結果、庫内に冷気が循環しにくくなって温度が上がり、食材や内壁に結露が発生しやすくなり、最終的に霜ができてしまいます。

庫内のお手入れを怠ると、このようなトラブルが起こりやすくなるため、注意が必要です。

ドアパッキンの劣化

冷蔵庫のドアには、庫内の冷気が外に漏れないようドアパッキンが付いています。しかし、このドアパッキンが歪んだり欠けたりすると、ドアがきちんと閉まらなくなり、冷気が外に逃げてしまいます。そうすると、庫内の温度が上がり、結露や霜が発生するため注意しましょう。

ドアパッキンは経年劣化しやすい部分です。お手入れや交換を怠ると劣化が進みやすくなるため、定期的に拭き掃除をして清潔に保ちましょう。気密性を確保するためにも、日ごろからのケアが大切です。

冷蔵庫本体の劣化

一般的な冷蔵庫の寿命は10~14年程度です。その期間を過ぎると徐々に性能が低下し、冷却能力が落ちたり、霜取り機能が弱まったりして、霜が発生しやすくなる場合があります。

また、使い方や設置環境によっては、劣化スピードが早くなる可能性もあります。長く使用していて以前より霜が発生しやすくなった場合は、買い替えを検討するのもおすすめです。

2.冷蔵庫の霜取りが欠かせない理由とは?

ここからは、冷蔵庫の霜取りがなぜ必要かを解説します。

庫内のスペースが狭くなる

霜取りを怠ると、庫内の壁や天井に霜が積もり、大きな塊になっていきます。この霜が厚くなると、その分だけ庫内のスペースが狭くなり、食材を入れにくくなります。

庫内のスペースを無駄なく活用し、食材を整理しやすくするためにも、定期的な霜取りが大切です。

余分な電気代がかかる

霜は冷気を通しにくい性質を持っているため、霜が増えるほど冷却効率は落ちてしまいます。特に、吹き出し口付近に霜が付くと、冷気の循環が悪くなり、庫内全体が均等に冷えにくくなります。その結果、食品の保冷に時間がかかり、最適な温度を保つのに余分な電力が必要になるため、電気代が通常よりアップする可能性があるでしょう。

霜取りをすると冷却効率が高まり、無駄な電力消費が抑えられるため、電気代の節約にもつながります。

冷蔵庫のドアが開きにくくなる

霜が厚くなると、冷蔵庫のドアが凍り付いて開閉しにくくなることがあります。無理やり開けようとすると、故障や破損につながるおそれがあるため、注意が必要です。

特に、冷凍庫や製氷コーナーは霜が付きやすい部分です。ドアが凍り付いて開きにくくなる前に、こまめに霜取りを行なうと、冷蔵庫の性能を長期間維持できます。

3.冷蔵庫の霜取り方法をケース別に紹介!

冷蔵庫の霜取り方法は、霜の状態により手順が異なります。ここからは、状態別の霜取り方法を紹介します。

霜が薄いケース

5mm程度の薄い霜の場合、冷蔵庫の電源を切らなくても除去が可能です。まず、庫内の食材を霜のない場所にまとめるか、一時的に冷蔵室に移動させます。その後、40度程度のぬるま湯で絞ったタオルで拭き取るだけで、電源を切らずに効率よく霜を除去できます。

霜を取り終えたら、乾いたタオルで乾拭きして水分を取り除き、新たな霜の発生を防ぎましょう。最後に移動させた食材を元に戻し、庫内を整えて完了です。

霜が厚いケース

霜が厚い場合、霜が自然に溶けるのを待つ方法がおすすめです。少し手間がかかりますが、庫内の清掃も兼ねて効率的に霜取りができます。

具体的な手順は以下のとおりです。

1. 冷蔵庫周辺にタオルを敷く:霜が溶けた際に周辺が水浸しにならないよう、タオルを敷いておく
2. 庫内の食材をすべて取り出す:食材はすべて取り出し、必要があればクーラーボックスなどに移しておく
3. 冷蔵庫の電源を切る:霜が自然に溶けるように、冷蔵庫の電源を切る
4. 霜が自然に溶けるのを待つ:8~10時間ほど放置する
5. 庫内の水分を拭き取る:霜が溶け切ったら、庫内の水分を丁寧に拭き取る
6. 庫内が乾いたら電源を入れる:電源を入れてから庫内が完全に冷えるまで5~6時間かかる
7. 庫内に食材を戻す:庫内が完全に冷えたら、食材を元に戻す

頑固な霜が付着しているケース

霜の塊が巨大化していたり、冬場でドアを開けてもなかなか溶けなかったりする場合は、ヘラを使う方法が有効です。

まずは冷蔵庫の電源を切り、ドアを開けて庫内の温度が上がるまでしばらく放置し、霜をある程度溶かします。その後、冷蔵庫の下にタオルを敷き、隙間にヘラを差し込んで霜を剥がしていきます。霜をすべて除去したら、乾拭きして再び霜が付かないようにし、庫内を元の状態に戻しましょう。

なお、ヘラはやわらかなプラスチック製やゴム製のものを使ってください。金属製のヘラは庫内を傷付けるおそれがあるため、使用を避けましょう。

4.冷蔵庫の霜取りでやってはいけないNG行為

冷蔵庫の霜取りは手間のかかる作業ですが、いくつか避けるべき行為もあります。ここからは、霜取りの際にやってはいけない行為を紹介します。

ドライヤーで溶かす

霜にドライヤーの温風を当てると、急激な温度変化が起こり、庫内が変形するおそれがあります。また、冷媒漏れなどの故障につながる可能性もあります。

霜を早く溶かしたい場合は、日中の暖かい時間帯に作業して、自然に溶けるのを促す方法がおすすめです。急いでいるからといってドライヤーを使うのは避けましょう。冷蔵庫を長く使うためにも、安全な方法で霜取りを行なうことが大切です。

熱湯で溶かす

ドライヤーと同様、熱湯を使うと急激な温度変化が起き、庫内の変形や故障を引き起こすおそれがあります。また、熱湯の蒸気が本体内部に侵入すると結露が発生し、故障につながる可能性があります。

なお、霜取りのためにタオルを温める際は、熱湯だと火傷の危険性があるため、40度程度のぬるま湯を使用するようにしてください。

鋭利な道具を使う

ドライバー・アイスピック・ナイフなど先のとがったもので霜取りをすると、庫内に傷が付くおそれがあります。傷が原因で故障した場合、保証対象外になる可能性があるため、道具を使う際は、必ずプラスチック製やゴム製のヘラを使うようにしましょう。

霜取りスプレーを使う

霜取りスプレーは車のガラス面用に作られており、冷蔵庫での使用は推奨されていません。これらのスプレーには、エタノールやイソプロパノールなどのアルコールが含まれています。エタノールは人体への毒性は低いものの、イソプロパノールは人体に有害で、食材に付着すると危険です。

そのほかにも、さまざまな成分が配合されており、人体への影響が懸念されます。また、アルコールは冷蔵庫のドアパッキンを傷める可能性があるため、冷蔵庫での使用は避けたほうがよいでしょう。

5.霜取りの手間を省きたいなら「ファン式」の冷蔵庫がおすすめ

冷蔵庫の冷却方式には「直冷式」と「ファン式」の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

静かで消費電力も少ない直冷式:
直冷式は冷却器から出た冷気が自然と冷凍庫内に広がるタイプです。ファンを回さないので静かで、電気代も少なく済むのが嬉しいポイント。キッチン以外の場所に置きたいときも音が気にならないのでおすすめです。
ただし、庫内の水分も凍ってしまうので霜がつきやすいのが難点。霜取りをするたびに冷凍庫を冷やし直さなければいけないのも少し手間がかかります。自然と冷気が対流するので、場所によって温度が違うといった現象も起こります。

均一に冷やせて、お手入れのラクなファン式:
ファン式は冷却器で作られた冷気をファンでムラなく庫内に送るので隅々まで温度が一定。自動で霜取りをしてくれるものが多いのでお手入れも簡単です。
ただし、ファンの音が気になることや、ファンを回す電力が必要なので、電気代が少し高め。お手入れが簡単なことを考えると時間の節約にはなるので、電気代はそんなには気にならないかもしれませんが、音は注意が必要です。また、ファン式は直冷式に比べて価格が高く、本体サイズが大きいといったデメリットもあります。

ファミリー向けの冷蔵庫はほとんどがファン式ですが、一人暮らし用の冷蔵庫やミニ冷蔵庫は直冷式が多い傾向があります。気になる方は、事前に冷却方式をチェックしてみてください。

6.まとめ

冷蔵庫に霜が付く原因には、ドアの開閉による結露や本体の性能低下などが挙げられます。霜を放置すると、庫内の収納スペースが減るだけでなく、冷気の循環が悪化して電力消費が増加する、ドアが開けにくくなるなどの問題が出てきます。そのため、定期的に霜を取り除くことが大切です。

5mmほどの薄い霜は、40度程度のぬるま湯に浸したタオルで軽く拭き取ると簡単に除去できます。霜が厚い場合は、冷蔵庫の電源を切り、ドアを開けて霜が自然に溶けるのを待つ方法がおすすめです。

また、冷蔵庫の冷却方式には直冷式とファン式があります。ファン式は霜が付着しにくく、霜取り機能付の製品が多いのが特徴です。一方で、直冷式は価格が安く、本体サイズも小さいため、一人暮らし用の冷蔵庫やミニ冷蔵庫に多く採用されています。

以下のページでは、AQUAの冷蔵庫を各種紹介していますので、製品選びの参考にしてみてください。

https://aqua-has.com/fridge/




ページの先頭へ