冷蔵庫が冷えないと食品が傷んでしまうため、慌てて修理を依頼する方も多いかもしれません。しかし、自分で対処できる場合もあるため、まずは原因を確認することが重要です。
この記事では、冷蔵庫が冷えない原因とすぐにできる対処法、修理が必要なケースを解説します。また、修理か買い替えかでお悩みの際に、どちらを選択すれば良いかの判断目安も併せてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
冷蔵庫が冷えなくなった際、自分で簡単に対処できる場合と、メーカーや業者に修理を依頼しなければならないケースがあります。トラブルの原因を知り、適切に対処するためには、冷蔵庫がどのような仕組みで冷えているのかを知っておきましょう。
一般的な家庭用冷蔵庫は、「冷媒」という物質を液体や気体に変化させることで庫内を冷やしています。冷蔵庫には内と外をつなぐパイプが張り巡らされています。庫内で冷媒が液体から気体に変わるときに周囲から熱を吸収して冷やし、外部で熱を放出して液体に戻る仕組みです。
このサイクルを繰り返すことで、庫内を常に冷たい状態に保ちます。
ここからは、冷蔵庫が冷えない6つの原因と、すぐにできる対処法を解説します。自分で解決できる場合も多いので、ぜひ試してみてください。
電気が通っていなければ、当然ながら冷蔵庫は冷えません。まずは以下のことを確認してみましょう。
冷蔵庫が冷えず、庫内の明かりもつかない状態であれば、電気が通っていない可能性があります。プラグが抜けたりゆるんだりしていないか、ブレーカーが落ちていないかなどを確認しましょう。
プラグがコンセントにしっかり挿さっているのに通電しない場合、コンセントの不具合の可能性もあります。コンセントにほかの電気製品を差してみて、通電するかどうかをチェックしてみてください。
冷蔵庫は一度プラグを抜いてリセットすると、直ることがあります。ただし、コンプレッサー(圧縮機)など内部の部品を守るため、プラグを抜いて10分程度時間を空けてから差し直しましょう。
温度設定や運転設定が適切でないため、冷蔵庫が冷えない場合もあります。例えば、気温の低い冬は「弱」の設定で十分冷えていても、夏は冷却効率が悪くなり、冷えにくくなることがあります。
取扱説明書を確認し、設定を「中」または「強」にするなど調整しましょう。製品によっては、消費電力を抑える「節電機能」が働いていることもあります。その場合は節電モードを解除してから、冷えるかどうかを確認してみてください。
冷蔵庫は庫内に冷気を循環させて冷やしています。食品を詰め込み過ぎると冷気の循環が妨げられてしまい、全体が冷えにくくなるため注意が必要です。
食品はぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、冷気が通る程度の量に減らし、食品同士の間にすき間を作りましょう。目安としては冷蔵スペースの7割程度に抑え、ゆとりを持たせるのがポイントです。
また、冷気の吹き出し口と吸入口の位置を確認し、付近を食品や物でふさいでいないかどうかも確認してください。
冷凍庫は食品が詰まっているほうが良いと聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、凍った食品がそれぞれ保冷材のような役目を果たすことと、冷凍庫を開けたときに外気の入り込むスペースが少ないほうが、温度が上がりにくいからという理由です。しかし、冷蔵庫内の食品は凍っていないので、これには当てはまりません。
冷蔵庫内と外の空気との気温差により、結露が生じて霜が発生することがあります。霜が吹き出し口に付着すると冷気がうまく循環できず、冷えにくくなります。
霜が少ないうちは、ぬるま湯を浸したタオルで簡単に拭き取れることが多いです。しかし、霜が多い場合は、冷蔵庫の電源を切って自然に溶かすといった作業が必要になる場合があります。取扱説明書に記載されている手順にしたがって、霜取りを行ないましょう。
冷蔵庫は放熱板によって熱を外部に排出し、庫内を冷やしています。放熱スペースが取れていなかったり、周囲の温度が高かったりなどの理由で熱の排出が妨げられると、冷えにくくなってしまいます。
放熱板の位置は背面・側面・上部など冷蔵庫によって異なります。そのため、設置の際は放熱板の位置を確認し、壁から離すなど適度に放熱スペースを設けることが大切です。
また、放熱板付近に物を置くのは避けましょう。マグネット式の小物やメモなどをたくさん貼っている場合も、冷却効率が下がってしまいます。
オーブンや炊飯器など、熱を発する調理器具を近くに置かないことも重要です。ほかにも、日光や暖房が当たる場所への設置を避ける、放熱板付近のホコリはこまめに掃除するなどにより、熱を逃がしやすい環境に整えましょう。
ドアに物が挟まっていたり、パッキンが古くなっていたりすると、ドアにすき間が生じます。すき間があるとそこから外気が入り込み、庫内の温度が上がる原因になるため、注意が必要です。
ビニールなどの物が挟まっていないかを確認しましょう。パッキンに汚れが付いていたり、劣化したりしている場合もすき間ができる原因となるため、チェックしてください。
また、普段の使い方も見直してみましょう。冷蔵庫のドアを頻繁に開け閉めしたり、開けっ放しにしたりすると冷気が逃げるので、なるべく一度に、短時間で済ませることがポイントです。
冷ますのが面倒だからといって、温かい料理をそのまま冷蔵庫に保存すると、庫内の温度が上昇する原因になります。また、調理中に粗熱を取る目的で、食品を冷蔵庫に入れるのも良くありません。食品を冷蔵庫に入れる際は、十分に冷ましてからにしましょう。
先に紹介した対策をしても冷蔵庫が冷えないのであれば、故障の可能性が考えられます。修理が必要なケースと、スムーズな修理依頼のために準備しておくことをご紹介します。
先ほどの6つの原因に当てはまらない場合は、冷蔵庫を冷やすのに重要な冷却装置が故障している可能性が考えられます。このほか、温度を制御するシステムに不具合が生じていることもありえます。
いずれにしろ、装置自体が故障している場合は自分での対処は難しいため、メーカーや販売店、修理業者などに依頼しましょう。
何らかの原因で冷媒が漏れていると、冷蔵庫は冷えません。冷媒が漏れると、有毒ガスの発生や発火のリスクがあるため、ガス漏れのような異臭を感じたら、まずは窓を開けて換気をしましょう。そのあと、速やかにメーカーなどに連絡をして、点検や修理を依頼してください。
メーカーに問い合わせる際は、あらかじめ以下の情報をメモしておくと、やり取りがスムーズになります。
● 商品名
● 型番
● 冷蔵庫の製造年
● 購入日
● 保証書の期限
● いつからどのような状況であるか
保証書がすぐに見つからない場合は、冷蔵庫のドアの内側にある品質表示ラベルを確認しましょう。型名や製造年、製造番号などが記載されています 。
冷蔵庫が冷えない場合、修理の内容によっては費用が高額になることもあります。買い替えのほうが結果的に安くなる場合もあるため、修理費用や冷蔵庫の寿命も考慮して判断することが大切です。
冷蔵庫が故障した際、保証期間内であれば、メーカーによる修理費用は基本的に無料です。保証期間が過ぎていれば有償となりますが、故障の原因によって修理費用は大きく異なります。
メーカーや修理業者によっても費用は異なりますが、技術料や部品代、出張料などを含めると、数万円から場合によっては10万円前後かかることもあります。
また、家電には修理用部品の保有期間が定められているものがあり、冷蔵庫の場合は製造打ち切りから通常9年です。 これ以上経っている製品では、メーカーで部品を保有していないこともあるため、修理できない可能性もあります。
冷蔵庫の寿命は10年~14年といわれています。 一般的な冷蔵庫の寿命以上に長持ちする場合もありますが、購入から時間が経つほどに故障箇所が増え、あちこち修理が必要になることも考えられます。
故障のタイミングや修理費用によっては、新しく買い替えたほうが結果的にコストを抑えられる場合もあるため、製造年や使い始めてから何年経っているのか、修理費用はどのくらいかかるのかなども考慮したうえで判断するとよいでしょう。
また、最新の冷蔵庫は、10年前の製品に比べて、省エネ性能や機能が大幅に進化しています。 そのため、長年使用したのちに故障した場合は、ランニングコストの面でも修理より買い替えのほうがおすすめです。
多くの取扱説明書には、「こんなときは」「故障かな?とおもったら」「よくある質問」など、困ったときの対処法が載っています。冷えないなどのトラブルがあった際は、一度確認してみましょう。
取扱説明書がすぐに見つからないときは、インターネット上にあるメーカーのサポートページでも、故障診断ガイドやQ&Aが用意されていることがあります。パソコンやスマートフォンなどで検索してみてください。
冷蔵庫が冷えないとき、原因によっては簡単に対処できる場合があります。一方で、部品の故障など自分で対応できないケースは、修理を依頼するか、買い替えとなるでしょう。
製造年や購入後の使用期間、故障内容によっては、修理より買い替えのほうが費用を抑えられる場合もあります。修理費用がどれぐらいかかるのかを問い合わせたうえで、使用年数や冷蔵庫の寿命も考慮して判断しましょう。
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