毛布はその大きさと重量から、自宅で洗うのは難しいと思う方が多いかもしれませんが、適切な手順を押さえれば、洗濯機で洗うことが可能です。
ただし洗濯機で毛布を洗うためには、洗濯表示や洗濯機に適した洗い方など、事前に確認するポイントがいくつかあります。
今回は、洗濯機で毛布を洗う手順、毛布をきれいに洗うポイント、洗濯機が使えないときの洗濯方法について解説します。
<目次>
洗濯機で毛布を洗う手順を6つに分けて詳しく解説します。
まずは毛布のタグにある洗濯表示を確認しましょう。洗濯表示には、羽毛が洗濯機で洗えるかどうかということと、適切な洗い方が記載されています。
洗濯表示には新表示と旧表示があり、以下のマークがあれば洗濯機で洗うことが可能です。
洗濯表示(旧) | 洗濯表示(新) | 洗濯処理(新表示) |
---|---|---|
液温は、95℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | ||
- | 液温は、70℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | |
液温は、60℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | ||
- | 液温は、60℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | |
- | 液温は、50℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | |
- | 液温は、50℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | |
液温は、40℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | ||
液温は、40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
- | 液温は、40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる | |
- | 液温は、30℃を限度とし、洗濯機で通常の洗濯処理ができる | |
液温は、30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる | ||
- | 液温は、30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる | |
- | 液温は、40℃を限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる | |
液温は、30℃を限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる |
引用:
洗濯表示(平成28年11月30日まで)|消費者庁
洗濯表示(令和6年8月20日以降)|消費者庁
洗濯桶の手洗いマークが記載されている場合、洗濯機の手洗いコースなどを利用すれば洗える 可能性があります。
一方、以下の表示がある場合は、基本的に洗濯機でも手洗いでも 洗えません。これらのマークが付いている毛布に関しては、クリーニングに出す必要 があります。
洗濯表示(旧) | 洗濯表示(新) | 洗濯処理(新表示) |
---|---|---|
洗濯処理はできない |
引用:
洗濯表示(平成28年11月30日まで)|消費者庁
洗濯表示(令和6年8月20日以降)|消費者庁
洗濯表示で洗濯できるか確認すると同時に、毛布の素材が洗えるものかどうか調べましょう。洗える素材と洗えない素材は次のとおりです。
洗える素材 | 洗えない素材 |
---|---|
● 綿 ● アクリル ● ポリエステル ● マイヤー |
● ウール ● シルク ● カシミヤ ● キャメル |
天然素材である綿、合成繊維のアクリルやポリエステルは洗濯機でも洗えます。特に、合成繊維は軽量なので、洗濯機でも洗いやすい素材です。
一方、ウールやシルク、そしてカシミヤなどの獣毛は、基本的に洗濯機では洗えません。水にぬれた状態でもみ洗いをすると、フェルト化という現象によって繊維が絡んで縮んでしまうデリケートな素材のためです。
洗濯機で洗えない素材でできた毛布は、自宅では洗わずにクリーニングに出しましょう。
洗濯機は洗える容量が決まっているため、毛布を洗えるサイズかどうか事前に確認しましょう。
毛布を洗濯できる容量の基準は、洗濯機のメーカーや機種によって異なります。洗濯機の説明書を確認し、毛布が洗えるサイズなのかを確認することが大切です。
なお、洗濯・乾燥できる容量の目安は、シングルの毛布で3kg以下、ダブルの毛布で6kg以下です。
毛布のサイズが洗濯機で洗える容量を超える場合は、クリーニングを活用しましょう。毛布を洗濯機に無理に詰め込むと、汚れが落ちにくいだけでなく、洗濯機が故障する可能性もあります。
洗濯機の容量に問題がないことがわかったら、説明書で毛布の洗い方をチェックしましょう。
多くの洗濯機には「毛布コース」が搭載されており、毛布の入れ方や付属品の使用方法が指定されています。洗濯機によっては、市販の洗濯ネットを使用するタイプや、ネットを使用せずに専用の洗濯キャップを取り付けるタイプもあります。
なお、AQUAの洗濯機を例にすると、毛布を洗う場合、縦型洗濯機では洗濯ネットの使用が指定されていますが、ドラム式洗濯機の場合は洗濯ネットが使用できません。正しい方法で洗濯しないと、毛布が傷んだり洗濯機が故障したりするので注意が必要です。
大物の毛布を洗濯機で洗う際、縦型とドラム式で毛布の折り方が異なります。
縦型洗濯機の場合、筒状に巻いて大物洗い用洗濯ネットに入れ、ドラム式洗濯機の場合、屏風たたみにすることが一般的です。屏風たたみの基本的な折り方は次の通りです。
1. 毛布を縦に二つ折りにたたむ
2. さらに二つ折りにたたむ(四つ折り)
3. 四つ折りの状態で端を奥にして、ドラム内で山折り・谷折りの屏風折りにして入れる
ただし、屏風たたみのやり方は、メーカーや機種ごとに適した方法が指定されています。説明書では具体的な折り方や洗濯槽の入れ方に加え、洗濯キャップなどの取り付け方法が記載されています。
汚れがひどい部分があるときは、汚れている面が外側になるように折りたたむとよいでしょう。
説明書のとおりに毛布を洗濯槽に入れたら、毛布コースや大物洗いコースなどを選んで洗濯しましょう 。
洗濯を終えたら、洗濯表示にしたがって毛布を干しましょう。適切な方法で毛布を干すことで、素材を傷めずに乾かせます。
干し方の記号は次のとおりです。
洗濯表示(旧) | 洗濯表示(新) | 干し方(新表示) |
---|---|---|
つり干し乾燥がよい | ||
日陰でのつり干し乾燥がよい | ||
平干し乾燥がよい | ||
日陰での平干し乾燥がよい | ||
― | ぬれつり干し乾燥がよい | |
― | 日陰でのぬれつり干し乾燥がよい | |
― | ぬれ平干し乾燥がよい | |
― | 日陰でのぬれ平干し乾燥がよい |
引用:
洗濯表示(平成28年11月30日まで)|消費者庁
洗濯表示(令和6年8月20日以降)|消費者庁
天日干しが可能な毛布は、通常の洗濯物と同じ場所に干して構いません。ただし、陰干しの洗濯表示が記載されている場合は、直射日光が当たらない場所に干す必要があります。
洗濯表示のとおりに毛布を干せるよう、ベランダや軒下など、干す場所をあらかじめ確保しておきましょう。
毛布は生地が厚く乾きにくいため、干す際は風が通るようにM字型に干すのがポイントです。2本の物干し竿を使い、毛布をM字型にかけることでより早く乾きます。物干し竿が1本しかない場合は、毛布を対角線状に2つに折り、三角形のように干すとよいでしょう(三角干し) 。毛布の水滴が角に集まることで、比較的早く乾かすことが可能です。
また、ハンガーラックがあるなら、ハンガーをいくつかかけた上に毛布を全体に被せるようにして乾かす方法もあります。
毛布を洗濯機できれいに洗うためには、以下のポイントを押さえましょう。
毛布に付着したホコリや髪の毛は、あらかじめ除去しておきましょう。
ホコリや髪の毛は手でたたいたりブラシをかけたりして払い落とすか、粘着クリーナーなどで取り除きます。ブラシを使うと、泥や砂の汚れが落ち、洗濯機本体の故障を予防できます。
また、シミなどの目立つ汚れは、酸素系漂白剤や専用洗剤などを付けてから洗濯機に入れましょう。
毛布の色落ちが気になるときは、目立たない場所に洗剤をつけて色落ちの具合をチェックしましょう。
毛布に使用する洗剤は、液体の中性洗剤がおすすめです。
中性洗剤には粉末タイプもありますが、溶け残りが起きやすいため、あらかじめぬるま湯に溶かしてから使う必要があります。さらに、粉末洗剤は洗浄力が高い反面、毛布を傷める可能性があります。
液体の中性洗剤なら溶かす手間もなく、毛布をやさしく洗い上げることが可能です。
白さを際立たせる蛍光剤の入った洗剤を使用すると、濃い色の毛布は色落ち する可能性があるので注意が必要です。
なお、アクリルやウールの毛布は、柔軟剤を使うと静電気の発生を抑えられます。毛布のニオイ が気になるときは、洗濯表示を確認したうえで、漂白剤を使用してもよいでしょう。
漂白剤の使用に関する洗濯表示は次のとおりです。
洗濯表示(旧) | 洗濯表示(新) | 漂白処理(新表示) |
---|---|---|
塩素系及び酸素系漂白剤による漂白処理ができる | ||
― | 酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない | |
漂白処理はできない |
引用:
洗濯表示(平成28年11月30日まで)|消費者庁
洗濯表示(令和6年8月20日以降)|消費者庁
洗濯用の漂白剤は、酸素系と塩素系に分類されます。毛布に使用する場合、色落ちしにくく繊維が傷まない「酸素系漂白剤」が適して います
毛布は厚みがあって乾きにくいため、気温が高く、かつ湿度が低い晴天時に洗濯しましょう。毛布を完全に乾かさないと、ニオイ やカビの発生につながります。
また、気温が上がる日中にしっかり乾かせるよう、午前中に洗濯を済ませることも重要なポイントです。事前に天気予報をチェックし、晴れの日を狙って洗濯するとよいでしょう。
毛布を清潔に保つには、定期的な洗濯が欠かせません。毛布が汚れてしまったら、すぐに洗濯したほうが汚れを早く落とせます。
特に、毛布は起毛 素材でホコリがたまりやすく、さまざまな汚れが付着しやすくなります。見た目以上に汚れていることもあり、洗濯せずに放置するとダニが繁殖するおそれがあるので注意が必要です。
年間を通して毛布を使用する場合、1ヵ月に1回~2回の頻度で洗うのがおすすめです。秋冬だけ使うときは、シーズンごとに1回の頻度 で洗うとよいでしょう。
家庭で洗える毛布であっても、洗濯機の容量が小さくて洗えない、といったこともあるでしょう。自宅の洗濯機が使えない場合は、以下の2つの方法で毛布を洗濯しましょう。
洗濯機の容量が小さい、または複数枚の毛布を一度に洗いたい場合は、コインランドリーの利用がおすすめです。コインランドリーの洗濯機は大容量なので、シーツなどのほかの洗濯物と一緒に洗えます。
また、別途お金を払う必要はありますが、乾燥機を使えば干す手間が省けます。乾燥機は高温で乾燥させるため、ダニをしっかり除去できるのも魅力です。
ただし、毛布は洗濯ネットに入れたほうがよい場合もあります。毛布の素材によっては、乾燥機が使えない素材もあるので、毛布をコインランドリーに持ち込む前に、乾燥機の洗濯表示も確認しておきましょう。
洗濯表示(新) | タンブル乾燥処理 |
---|---|
洗濯処理後のタンブル乾燥処理ができる 高温乾燥:排気温度の上限は最高80℃ |
|
洗濯処理後のタンブル乾燥処理ができる 低温乾燥:排気温度の上限は最高60℃ |
|
洗濯処理後のタンブル乾燥処理はできない |
洗濯機に毛布が入りきらない場合や、手洗いの洗濯表示がある毛布は、浴槽を使って手洗いする方法がおすすめです。お風呂の浴槽に水を張り、足を使うことで簡単に丸洗いができます。
浴槽を使う毛布の洗い方は、以下の手順で行ないます。
1. 浴槽にぬるま湯を張り、中性洗剤もしくは、おしゃれ着用洗剤を溶かす
2. 汚れた部分が外側になるよう、毛布を屏風たたみにする
3. 浴槽に毛布を入れ、足で踏み洗いをする
4. 汚れた水を流し、シャワーをかけながら足で踏み洗いして洗剤を洗い流す
5. 毛布が浸かる程度に水をため、再び足で踏み洗いをする
6. (5)のすすぎを2~3回くり返す
7. 毛布を踏みながら水気を切り、1時間 ほど浴槽のふちに毛布をかけて脱水する
8. 脱水後、物干し竿でM字型にして干す
なお、目立つ汚れがある場合、事前に洗剤を塗っておくとよいでしょう。柔軟剤を使用するときは、(5)のすすぎ のときに入れればOKです。
毛布を洗濯機で洗うときは、洗濯表示と説明書を確認し、正しい方法で洗いましょう。間違った方法で毛布を洗うと、生地が色落ちしたり、傷んだりする可能性があります。
また、毛布をきれいに洗うには、事前にホコリや汚れを取り除き、適切な洗剤を選ぶことも重要です。漂白剤の使用は洗濯表示を確認したうえで、生地が傷みにくい酸素系漂白剤を使いましょう。
洗濯機の容量が小さくて毛布を洗えない場合は、コインランドリーの利用や浴槽での手洗いも有効です。毛布は見た目以上に汚れている可能性があるため、定期的に洗濯して清潔な状態を保ちましょう。
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