洗濯機は日常生活に欠かせない家電製品ですが、買い換えや引越しにともない、処分を迫られる場面が出てきます。そのため、洗濯機の処分方法が知りたいという方も多いのではないでしょうか。
洗濯機は一般的な家電製品と違って粗大ごみにならないため、ほかの方法で処分しなければなりません。
この記事では、洗濯機の処分方法をケース別に紹介しつつ、実際に処分する際の注意点も解説します。洗濯機の正しい処分方法を学べるので、ぜひご一読ください。
<目次>
粗大ごみの定義は自治体によって異なりますが、基本的に一定のサイズや重量を超えるもの、あるいは家電製品など燃やす前に破砕しなければならないものが該当します。
洗濯機は家電製品の一種ですが、粗大ごみの対象外なので、自治体に収集してもらうことはできません。「家電リサイクル法」が定めるルールに基づき、適切な方法で処分する必要があります。
家電リサイクル法とは、不要となった家電製品から有用な部品や材料を回収し、廃棄物の減量および資源の有効活用を促進するために制定された法律です。エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)の4品目が対象となっています。
家電リサイクル法の対象となる洗濯機の具体例をまとめたので、以下も併せてご確認ください。
● 洗濯乾燥機
● 全自動洗濯機
● 2槽式洗濯機
● 小型洗濯機(排水機能付き)
● 衣類乾燥機
なお、上記の洗濯機と一緒に、洗濯かごなど同梱の付属品も引き取れます。上記に該当しないもの(電動バケツ・衣類乾燥機能付き家電)は、同法の対象外です。
家電リサイクル法が推奨している洗濯機の処分方法は、以下の4つです。
● 引き取りを依頼する(買い替え)
● 引き取りを依頼する(処分のみ)
● 指定引取所に持ち込む
● 許可業者に運搬を依頼する
それぞれ詳細を解説するので、きちんと押さえておきましょう。
家電量販店やホームセンターで新しい洗濯機に買い替える場合、購入先の店舗で不要になった古い洗濯機の引き取りを依頼できます。リサイクル料金・収集運搬料金を支払わなければなりませんが、買い替えと同時に古い洗濯機を処分できるため、ほとんど手間がかからず手軽です。
店舗によっては買い替えキャンペーンを実施しているので、うまく活用すれば、キャッシュバックやポイント付与といった恩恵を受けることもできます。
一方、引き取り方法や料金も店舗ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
買い替えなしで古い洗濯機の処分のみを行ないたい場合、その洗濯機を購入した店舗にリサイクル料金・収集運搬料金を支払うことで、引き取りを依頼できます。店舗側には、過去に購入された製品であっても引き取り義務が生じるので、原則として依頼を受け付けなければなりません。
ただし、買い替えでの引き取りより料金が高くなる可能性もあるため、あらかじめ注意が必要です。
また、以下のように引き取りを依頼できない、あるいは依頼が困難になるケースもあります。
● 購入先の店舗が廃業・閉店している
● 自身の引越しで店舗が遠方になった
● 洗濯機は譲り受けたもので、購入先の店舗がわからない
このようなケースに当てはまる場合、まずは自治体に問い合わせましょう。引き取りを依頼できる店舗や事業者を紹介してくれたり、自治体で収集してくれたりする可能性があります。
各市区町村にある指定引取所に古い洗濯機を持ち込めば、回収・処分を依頼できます。ただし、事前に郵便局で「家電リサイクル券」を購入しなければなりません。
家電リサイクル券の購入手続きは郵便局の窓口で行なうので、窓口の営業時間に注意しましょう。家電リサイクル券に必要事項を記入したら、付属の振替払込書を使ってリサイクル料金を振り込みます。
製造業者 等名コード |
製造業者等名 | 製造業者等名の略称 | 洗濯機・ 衣類乾燥機 |
---|---|---|---|
品目・料金区分コード:40 | |||
39 | アクア(株) | アクア | 2,530円(税込) |
100 | パナソニック(株) | パナソニック | 2,530円(税込) |
101 | パナソニック(株)(三洋電機) | パナソニック(三洋) | 2,530円(税込) |
110 | 東芝ライフスタイル(株) | 東芝ライフスタイル | 2,530円(税込) |
300 | 日立グローバルライフソリューションズ(株) | 日立グローバルライフ | 2,530円(税込) |
310 | シャープ(株) | シャープ | 2,530円(税込) |
320 | 三菱電機(株) | 三菱電機 | 2,530円(税込) |
350 | (株)富士通ゼネラル | 富士通ゼネラル | 2,530円(税込) |
※引用:再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金) | RKC 一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
自身で持ち込むので収集運搬料金がかからず、費用を抑えやすいことがメリットです。その反面、洗濯機を運搬できるだけの人手や自動車が必要となります。
持ち込みが完了したら、必ず家電リサイクル券の控えを受け取りましょう。保管や提出の義務はないものの、適切なリサイクルが行なわれたことの証明書となります。
人手や移動手段の問題から指定引取所への持ち込みが難しい場合、一般廃棄物収集運搬業の許可業者に収集・運搬を依頼することもできます。先述の処分方法と同じく、家電リサイクル券を事前に購入したうえで、洗濯機と一緒に業者へ引き渡しましょう。
ただし、業者によっては一部地域の収集に対応していないケースがあります。また、運搬料金も業者によって異なるため、事前に確認しておきたいところです。
洗濯機を処分方法に関しては、ほかにも以下のような選択肢があります。
● 買取業者に売却する
● ネットオークションやフリマアプリに出品する
● 地元の掲示板サービスを利用する
● 不用品回収業者に依頼する
こちらも各自詳細をまとめました。
まだ壊れていない洗濯機を処分したい場合、リユースショップなどの買取業者で査定してもらうのも一案です。査定基準は業者によって異なりますが、製造年から3~5年以内のモデルや高スペックのモデルであれば、高値で売却できる可能性もあります。
売却益は新しい洗濯機の購入資金に充てることができるため、買い替えを検討している方にもおすすめです。
また、出張買取に対応している業者も多いので、事前にホームページなどで確認しておきましょう。
買取業者で査定額がつかない洗濯機でも、ネットオークションやフリマアプリでの個人間取引で売却できる可能性はあります。どちらも出品手数料はかかりますが、自分で売却金額を設定できるので、納得のいく結果を得やすいといえるでしょう。
また、出品手続きやメッセージのやり取りはスマートフォンでできるため、手間が比較的かからないこともメリットです。ネットオークションは想定以上の利益が期待できる、フリマアプリはスピーディーに取引できるといった強みがあるので、自分に合った方法を選びましょう。
ただし、取引内容によっては送料が高くなる可能性があります。また、買い手がなかなか現れない、個人間取引ゆえにトラブルが起こりやすいといったリスクにも要注意です。
地元の掲示板サービスでは、不用品の譲渡に関するやり取りも行われています。これを利用すれば、洗濯機を無料で譲渡することも可能です。
希望者が見つかった場合、必要に応じて運び出しの作業を手伝ってもらうこともできます。
ただし、ネットオークションやフリマアプリと同じく個人間取引なので、トラブルが発生しやすい傾向にあります。また、希望者とのマッチングに時間がかかるかもしれません。
手っ取り早く洗濯機を処分したい場合は、民間の不用品回収業者に依頼するのも一つの手です。家具や雑貨など洗濯機以外の不用品もまとめて引き取ってくれるうえ、回収の日時を指定できるので、引越しや断捨離の際に役立ちます。
ただし、無許可で営業している悪徳業者も少なくないため、業者選びには注意が必要です。優良業者を見極めるポイントとして以下のものが挙げられるので、ぜひご確認ください。
● 一般廃棄物許可証を持っているか
● 利用者の口コミ評価に問題はないか
● Googleマップ上で業者の所在地を確認できるか
● ホームページ上でスタッフの顔出し写真が掲載されているか
● ホームページ上で実績が公開されているか
● 明確な見積もりを提示してくれるか
優良業者であれば、低料金かつ適切な相場で引き取ってくれます。3社ほど相見積もりをとって、料金やサービス内容を比較することが大切です。
洗濯機を処分する場合、以下のような注意点も押さえておく必要があります。
● 水抜きをする
● 洗濯槽内の異物は取り除く
● 複数人で運搬する
これらの注意点についても詳しく解説します。
洗濯機の処分にあたって、必要不可欠な作業が「水抜き」です。水抜きせずに洗濯機を動かすと、水漏れや漏電といったトラブルを引き起こす可能性もあります。
一般的な水抜きの手順をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
【必要な道具】
● 洗面器・バケツ
● タオル
● ドライバー
● ビニール袋
【手順】
1. 洗濯槽に入っている洗濯物をすべて取り出し、空の状態にする
2. 水漏れに備えて、洗濯機の周辺を片付ける
3. 洗濯機と接続している水道栓を閉める
4. 洗濯機を通常モードで1分ほど稼動し、給水ホース内の水を抜く
5. 水漏れに注意しつつ、ドライバーで給水ホースを外す
6. 洗濯機を脱水モードで1~2分ほど稼動させて、洗濯槽内の水を抜く
7. 洗濯槽内の水気をタオルで拭き取る
8. 水漏れに注意しつつ、ドライバーで排水ホースを外す
9. 取り外したパーツをまとめてビニール袋に入れる
ホースを外す際は溜まった水がこぼれないよう、洗面器やタオルを活用することが大切です。また、洗濯機を完全に乾かすため、水抜きは運搬前日までに実施しましょう。
洗濯槽内に衣類などの異物が入ったままだと、リサイクルの障害になってしまいます。特に指定引取所の場合、異物があると引き取りを断られてしまうかもしれません。
洗濯槽が空になっているか事前にしっかり確認したうえで、引き取りや査定を依頼しましょう。
洗濯機を自分たちで運搬する場合、必ず2人以上の人手を確保しましょう。種類やモデルにもよりますが、洗濯機は総じてサイズが大きく重量もあるため、1人で運搬することは困難です。
また、洗濯機が剥き出しのままだと、床や壁を傷つけてしまう可能性があります。古い毛布などにくるんだ状態で運搬すれば、接触した際のダメージを抑えることが可能です。
その他、パーツ類はビニール袋に入れて洗濯槽内に保管しておくと、紛失を防止できます。
洗濯機は粗大ごみの対象外なので、家電リサイクル法が推奨する方法、あるいは買い取りや個人間取引によって処分しなければなりません。それぞれメリット・デメリットが異なるため、現状や目的を踏まえつつ、自分に合った処分方法を選ぶことが大切です。
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