洗濯機を自分で設置するには?設置方法や注意点などをわかりやすく解説

洗濯機の設置はそれほど難しいものではなく、取扱説明書や据付説明書をよく読めば、自分で設置可能です。ただし、設置方法を誤ってしまうと漏水や漏電、故障などの原因になってしまうため、ポイントを押さえて正しく洗濯機を設置しなければなりません。

今回は、洗濯機を自分で設置する方法と設置する際の注意点を解説します。記事を参考に、洗濯機を設置してみましょう。

1.まずは設置場所を確認しよう

洗濯機を設置する前に、以下の4つのポイントを必ずチェックしておきましょう。

1.搬入・設置スペースは十分確保できているか
2.排水口と排水ホースの位置
3.排水エルボの有無
4.蛇口の形状・高さ

1.搬入・設置スペースは十分確保できているか確認する

洗濯機のサイズを確認し、搬入経路が確保できるか調べましょう。防水パンや洗濯機置き場の幅や高さも計測し問題がないかチェックします。なお、次のような場所は洗濯機の設置には向いていないため、避けるようにしましょう。

● 直射日光が当たる場所
● 冬期に凍結のおそれがある場所
● 平らでない場所
● 床の強度が弱い場所
● 床がタイルなどの滑りやすい素材でできている場所
● ブロックやレンガ、角材、キャスター付きの台の上などの不安定な場所
● 高い置台の上

製品の取扱説明書や据付説明書に記載されているスペースを、前方・後方・右方・左方・上方のすべてで確保できているか確認します。ドラム式洗濯機の場合は、扉を開け閉めするスペースがあるかもチェックしましょう。

設置スペースが十分に確保できていないと、異常な振動や音、故障の原因になります。設置スペースをふまえて洗濯機のサイズを選択しましょう。

2.排水口と排水ホースの位置を確認する

排水口の位置によっては、排水ホースの延長が必要になります。排水ホースが長すぎたり短すぎたりすると適切に排水できない可能性があるため、どの程度の長さなら排水可能なのか、あらかじめ取扱説明書で確認しておきましょう。

洗濯機下には、排水ホースを取り付ける空間を確保します。排水ホースを取り付けられない場合は、防水パンのかさ上げも検討しましょう。なお、自分での無理なかさ上げはケガのもととなるため、不安がある場合は業者へ依頼するのがおすすめです。

3.排水エルボの有無を確認する

排水エルボは洗濯機と排水口を接続する部品です。形状はL字型で、排水ホースがつぶれたり、悪臭や水漏れが発生したりするのを防いでいます。排水エルボを用いずに排水してしまうと、排水ホースが外れて床が水浸しになってしまうこともあります。


基本的に、どのような洗濯機でも排水エルボは必須です。賃貸物件で排水エルボがない場合は、管理会社などに相談してみましょう。

4.蛇口の形状・高さと位置を確認する

洗濯機置き場の蛇口には、万能ホーム水栓・洗濯機用ワンタッチ水栓・洗濯機用オートストッパー付き水栓などの種類があります。蛇口の種類によっては、追加の工事や別売りの部品が必要になるため、必ず確認しましょう。

万能ホーム水栓 古い住宅に使用される水栓です。給水ホース設置時にジョイントが必要になります。
洗濯機用ワンタッチ水栓 アタッチメントを使わずに、ワンタッチで給水ホースを設置できる水栓です。
洗濯機用オートストッパー付き水栓 アタッチメントを使わずに、ワンタッチで給水ホースを設置できる水栓です。万が一給水ホースが外れても、自動で水が止まります。
横水栓 古いタイプの水栓です。給水ホース設置時にジョイントが必要になります。水栓が古くなっている場合は、新しい水栓への交換も検討しましょう。
カップリング水栓
2ハンドル水栓



また、洗濯機を設置する際は、蛇口の高さや位置も確認しておきましょう。

蛇口の高さは、洗濯機の上面からある程度余裕を持った高さに あるのが理想です。現在の一般的な蛇口の高さは床から1,250~1,350㎜程度ですが、建物によっては蛇口の位置が低くなっているケースもあります。

また、防振ゴムや防水パン などを使用している場合は、それらの高さも含まれる点に注意が必要です。洗濯機を設置する前に、蛇口の高さや位置を確認し、設置可能かどうかを確認しておきましょう。

2.洗濯機設置の手順

設置場所などに問題がなければ、下記の手順で洗濯機を設置しましょう。なお、縦型洗濯機の場合は、回転部での受傷や感電の防止のため、事前に底カバーを取り付けておくのを忘れないでください。

1.排水口に排水ホースをつなげる
2.水平を確認して調整する
3.給水ホースを取り付ける
4.アース線をつなげる
5.最終チェック・試運転

1.排水口に排水ホースをつなげる

排水口の周辺を掃除し、排水ホースを排水口に差し込みます。設置後はホースを手で引っ張り、排水口にホースがしっかりと差し込まれているか確認しておきましょう。排水口がエルボの場合は、排水ホースの先端をエルボに差し込み、ホースバンドで固定します。

排水ホースをつなげたら、排水ホースによじれやつぶれ、浮き上がりがないか確認しましょう。よじれなどがあると、排水できなかったり水漏れしたりする可能性があります。



2.水平を確認して調整する

本体が水平になっているか、水準器などを用いて確認します。水平になっていないと、本体の移動・異常振動・水漏れ・故障の原因となるからです。水準器がない場合は、おもりをつけた糸を下図のように利用し、水平度を確認しましょう。



水平になっていない場合は、調整足などで高さを調整します。最後に、本体の上端の対角を押さえて、ガタつきがないか確認します。ガタつきがあれば、再度調整足などで高さを調整しましょう。

3.給水ホースを取り付ける

給水ホースの設置の可否や手順は、蛇口の形状によって異なります。取扱説明書にしたがって、ホースを取り付けましょう。

取り付けの際、マジックつぎ手がない場合は、蛇口にマジックつぎ手を取付けます。取付けにはドライバーが必要です。取付け後はゆるみやぐらつき、傾きなどがないか確認しましょう。

マジックつぎ手を蛇口に取り付けられない場合は、給水栓ジョイントなどの部品(別売りの場合があります)を取り付けます。

マジックつぎ手または給水栓ジョイントにホースを付ければ、水栓側の給水ホースの取り付けは完了です。



給水ホースは本体側にも設置が必要です。部品のパッキンが正常に取り付けられているかなどを確認したうえで、傾きのないように確実に取り付けましょう。

4.アース線をつなげる

アース線は漏電事故を防ぐためのものです。コンセントにアース端子がある場合は、アース端子の蓋を外し、アース線を接続します。アース線を接続する際は、電源プラグをコンセントから必ず抜いたうえで、乾いた清潔な手で行ないましょう。

コンセントにアース端子がない場合は、電気工事士による差込口の増設工事を行わなければなりません。



5.最終チェック・試運転

以下のチェック項目と製品の取扱説明書を参考に、必要な部品がすべて正しく取り付けられているかなどを確認しましょう。設置確認ができたら、洗濯槽内になにも入れない状態で試運転します。試運転の方法は取扱説明書などに従いましょう。

おもなチェック項目

① 排水ホース
  排水できているか
  排水ホースの先端が塞がれていないか
  排水ホースによじれ・つぶれ・浮き上がり・こすれがないか
  排水ホースや接続部から水漏れしていないか
② 本体
  本体を水平に設置したか
  本体上端の対角(右前・左後および左前・右後)を押したときガタつきがないか
③ 給水ホース
  給水ホースは新品を使用しているか
  給水ホースにねじれや折れ 曲がりがないか
  給水ホースの接続に余裕があるか
  水栓側および本体側の給水ホース接続部から水漏れしていないか
④ アース・電源
  アースが接続されているか
  定められた規格のコンセントを単独で使っているか
  電源コードを製品本体で踏みつけたり、挟み込んだりしていないか
  電源コード・アース線が本体に接触していないか
⑤ 試運転
  異常音や水漏れがないか
  本体にガタつきや揺れがないか
  正常に排水されているか



異常が発生したりエラー表示が出たりした場合は、試運転を一時停止し、問題を取り除いてから再度試運転しましょう。問題が解消されない場合は、メーカーなどに相談してみてください。

3.自分で洗濯機を設置した場合のトラブル事例

自分で洗濯機を設置する場合、以下のようなトラブルが発生しやすい傾向にあります。洗濯機の取扱説明書などをよく読んで、トラブルが発生しないよう注意しましょう。

● 設置スペース不足
● 給水部・排水部からの水漏れ
● 設置が不安定で異音がする
● アース線をつなげられない

また、設置した洗濯機を長く安全に使い続けるためにも、洗濯物の入れすぎに注意し、定期的な掃除を欠かさないようにしましょう。

4.洗濯機の設置を業者に依頼したほうが良いケース

洗濯機の設置場所などによっては、自力での設置が難しいケースがあります。自力での設置が難しい場合は、業者に設置を依頼するのがおすすめです。

無理して設置すると故障やケガの原因となるため、少しでも不安に感じる方は業者に相談してみてください。特に以下のようなケースは、業者に設置を依頼しましょう。

● 排水口の位置が排水ホースと逆側にある
● 洗濯機のかさ上げをしたい
● コンセントが届かない
● 洗濯機のサイズが大きく、設置の人手が足りない
● 家電の設置に慣れていない

5.洗濯機を設置する業者の選び方

洗濯機の設置は、家電量販店や住宅設備業者、引越し業者、宅急便などに依頼できます。業者に依頼すれば短時間で正確に作業してもらえるため、自分で設置するのが不安な方は依頼してみましょう。

洗濯機の設置費用は業者によって異なります。家電量販店では、洗濯機を購入すると、新しい洗濯機の設置を無料で行なってくれるケースもあります。口コミや見積内容、アフターサービスの有無などをふまえて、依頼する業者を選定しましょう。

6.まとめ

洗濯機の設置を自分でできれば、設置費用がかからずに済みます。取扱説明書や据付説明書などをしっかりと読み、今回紹介したポイントを押さえて、洗濯機の設置にチャレンジしてみてください。

ただし、洗濯機の設置場所が特殊な場合や、設置に自信がない場合は無理をせず、業者に設置を依頼しましょう。無理に設置してしまうと、故障の原因になってしまうかもしれません。家電量販店や住宅設備業者など、洗濯機の設置に対応している業者に相談し、金額やサービス内容を比較して自分に合った業者を選択しましょう。

なお、下記リンク先では、洗濯機の種類や選び方、洗濯に関するお役立ち情報をまとめています。日々の暮らしを支える洗濯機だからこそ、自分に合ったものを選びたいとお考えの方は、ぜひ洗濯機選びの参考にしてください。

https://aqua-has.com/laundry






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