衣類のタグに付いている洗濯表示、正しく理解していますか。素材に適した洗濯やお手入れをしないと、衣類が縮んだり、色落ちしたりする場合もあるので要注意。
また、洗濯表示は国際規格に合わせて、2016年に新たな記号に変更されました。それによって、「記号の意味がわからない」「従来の洗濯表示は、新しい洗濯表示ではどれに該当するの?」とお困りの方も多いようです。そこで、今回は洗濯表示の見方や記号の意味を解説します。
<目次>
衣類のタグに記載されている洗濯表示は、その素材に適した洗濯や乾燥などの方法を、記号によってわかりやすく示したものです。
洗濯表示はもともと日本工業規格(JIS L 0217)という、日本独自の規格で定められたものが使用されており、海外の洗濯表示とは異なるものでした。
そうしたなか、衣類の生産や流通のグローバル化が進み、1991年に繊維製品の取り扱いに関する国際規格が定められると、世界各国で国際規格への統一が進められるようになりました。
それに伴い、日本でも2016年に国際規格に合わせた新しい洗濯表示(JIS L 0001)に変更されたのです。
新しい洗濯表示になったことで、記号の形が変わっただけでなく、種類も従来の22種類から41種類に増えました。
新しい洗濯表示は「洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」の5つの基本記号と、「強さ」や「温度」などを表す付加記号・数字の組み合わせで構成されています。
付加記号について具体的に説明すると、線の本数で「力の強弱」(本数が多いほど弱い)を、点の数で「乾燥やアイロンの温度」(点の数が多いほど温度が高い)を、「×」の記号で「禁止」を表します。また、数字は「洗濯液の上限温度」を意味します。
洗濯表示が示す「強さ」「数字」「温度」は、その「上限」になります。
たとえば、洗濯の記号内に「40」とある場合、従来は「40℃での洗濯がよい」という「指示(推奨)表示」でしたが、新表示では「40℃以下で洗濯する」という「上限表示」になりました。
表示よりも強い力や温度で、洗濯やアイロンがけを行うと衣類を傷める可能性があります。必ず表示以下の力や温度でお手入れするようにしましょう。
ここからは、洗濯表示の記号と意味を具体的にみていきましょう。
「洗濯」の方法は、洗濯桶のマークで表します。
洗濯桶の中の「数字」は「洗濯液の上限温度」を表しており、たとえば「40」なら「40℃以下」の洗濯液で洗うことを意味しています。
洗濯桶の下の「線の本数」は「力の強弱」を表し、線の本数が多いほど力の加減を弱くすることを示しています。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯ができる | ||
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる | ||
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | ||
液温は40℃を限度とし、手洗いができる 旧表示は「液温は、30°Cを限度とし、弱い手洗いがよい」) |
||
家庭での洗濯禁止 (旧表示は「水洗いはできない」 |
「漂白」の方法は、三角形のマークで表します。
従来は「塩素系漂白剤が使える・使えない」の記号だけでしたが、新しい洗濯表示では「酸素系漂白剤のみ使用できる(塩素系漂白剤は禁止)」の記号が加わりました。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
塩素系および酸素系の漂白剤を使用して、漂白ができる | ||
― | 酸素系漂白剤の使用はできるが、塩素系漂白剤は禁止 | |
塩素系および酸素系漂白剤の使用禁止 |
「乾燥」の方法は、正方形のマークで表します。
従来は「自然乾燥」に関する記号のみでしたが、新しい洗濯表示では「タンブル乾燥」の記号が加わりました。
タンブル乾燥とはドラムを回転させ、熱風をあてて衣類を乾燥させる方法です。
具体的には、家庭用のドラム式洗濯乾燥機やコインランドリーの乾燥機などが該当します。
ただし、コインランドリーの乾燥機は、家庭用の乾燥機より高温な場合もあるので、洗濯表示と乾燥機の温度をよく確認してから利用してください。
タンブル乾燥の記号は、正方形と円を組み合わせて表します。
「・(点)」は温度の高低を表しており、「・・」は「強排気温度上限80℃」、「・」は「排気温度上限60℃」でタンブル乾燥ができることを意味しています。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
― | タンブル乾燥ができる(排気温度上限80℃) | |
― | 低い温度でのタンブル乾燥ができる(排気温度上限60℃) | |
― | タンブル乾燥禁止 |
自然乾燥の方法には、衣類をハンガーなどにかけて干す「つり干し」と、衣類を平らな場所(平干しネットなど)に干す「平干し」の2つがあります。
加えて、「ぬれつり干し」「ぬれ平干し」のように、「ぬれ干し」を示す記号もあります。ぬれ干しとは、洗濯機で脱水したり、手で絞ったりせずに干すことです。
なお、実際にぬれ干しする際に水が垂れてしまう場合は、洗濯物をバスタオルなどで挟んで軽く水分を取る「タオルドライ」をしてから干すといいでしょう。
つり干しは、正方形と縦線で表します。
縦線が「1本」の場合は脱水してから干す「つり干し」、縦線が「2本」の場合は脱水せずに干す「ぬれつり干し」を意味しています。
また、正方形の左上に「斜線」がある場合は「日陰」で干すことを示しています。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
つり干しがよい | ||
日陰のつり干しがよい | ||
― | ぬれつり干しがよい | |
― | 日陰のぬれつり干しがよい |
平干しは、正方形と横線で表します。
横線が「1本」の場合は脱水してから干す「平干し」、横線が「2本」の場合は脱水せずに干す「ぬれ平干し」を意味しています。
また、正方形の左上に「斜線」がある場合は「日陰」で干すことを示しています。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
平干しがよい | ||
日陰の平干しがよい | ||
― | ぬれ平干しがよい | |
― | 日陰のぬれ平干しがよい |
アイロンのかけ方は、アイロンの形のマークで表します。
アイロンの底面温度の上限は「・(点)」の数で表し、「・」の数が多いほど上限温度が高くなります。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる | ||
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる | ||
底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる | ||
アイロン仕上げ禁止 |
クリーニングの方法は円と、クリーニングの溶剤の種類を意味するアルファベットを組み合わせて表します。
従来は「ドライクリーニング」に関する記号のみでしたが、新しい洗濯表示では「ウエットクリーニング」の記号が加わりました。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
パークロロエチレンおよび石油系溶剤によるドライクリーニングができる | ||
石油系溶剤によるドライクリーニングができる | ||
ドライクリーニング禁止 |
ウエットクリーニングとは、クリーニング店が特殊な技術を使って水洗いから仕上げまで行う処理方法です。家庭での水洗いとは異なるので注意しましょう。
ウエットクリーニングは、たとえばウール素材のコートなど水洗いできない、ドライクリーニング対象の衣類で、飲食物や汗ジミといった水溶性の汚れを落としたい場合などに行われます。
旧洗濯表示 | 新洗濯表示 | 意味 |
---|---|---|
― | ウエットクリーニングができる | |
― | ウエットクリーニング禁止 |
参考:衣替えの季節です。あなたは正しく洗濯していますか? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン|内閣府 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201812/2.html#gotoPageTop
従来の洗濯表示の中には、新たな洗濯表示への変更に伴い、廃止されたものがあります。
また、国際規格に統一されたことで、記号内から日本語の表記がなくなりました。そのため、記号だけで表せない情報は、記号の近くに「付記用語」(注意事項)として記載されるようになりました。
廃止された記号と新しい洗濯表示での対応について、主な例を以下にご紹介します。
従来の洗濯表示では「中性洗剤を使用」する場合、記号内に「中性」の記載がありました。
新しい洗濯表示では記号内から「中性」の文言がなくなり、記号の近くに「中性洗剤使用」と記載されます。
従来の洗濯表示ではアイロンがけで「あて布」を使用する場合、「波線」のマークが入っていました。
新しい洗濯表示では記号内から「波線」のマークがなくなり、記号の近くに「あて布使用」と記載されます。
従来の洗濯表示にあった「弱く絞る」の記号は廃止されたため、新しい洗濯表示では記号の近くに「弱く絞る」などと記載されます。
従来の洗濯表示にあった「絞ってはいけない」を示す記号も廃止されました。この記号は、新しい洗濯表示では「自然乾燥」の「ぬれ干し」(脱水せずに干す)に該当します。
従来の洗濯表示では、「洗濯」の記号の中に「ネット使用」の文言が入った「洗濯ネット使用」を意味する記号がありました。
新しい洗濯表示ではその記号は廃止されたため、記号の近くに「洗濯ネット使用」と記載されます。
以下は洗濯表示の一覧表です。洗濯する際に参考にしてください。
ここまで洗濯表示の見方について解説してきましたが、「種類が多くて覚えられない」という方はスマホアプリを活用するのがおすすめです。
ここでは例として、以下の2つのアプリをご紹介します。興味のある方はぜひ試してみてください。
「これ洗える?」(ライオン)
ライオンの「これ洗える?」は、洋服のタグに載っている洗濯表示マークをアプリ上で選ぶだけで、「洗濯機で洗えるか」を判定し、適切な洗濯やお手入れの方法を教えてくれます。
また、洋服の画像と一緒に洗濯方法を登録できる「My Closet機能」もあります。登録しておけば、同じ洋服の洗濯方法を何度も調べ直す必要がないので便利です。
「Yahoo!ブラウザー」(Yahoo! JAPAN)
Yahoo! JAPANの「Yahoo!ブラウザー」では、「洗濯マーク検索」という機能があり、洋服のタグにある洗濯表示をスマホのカメラで撮影するだけで、AIが洗濯方法を判定してくれます。
「洗濯機で洗えます」「おうち洗濯できません」「手洗いできます」の3種類の結果のほか、それぞれの洗濯表示の意味も確認できます。
一見、複雑そうな洗濯表示ですが、基本記号や表示のルールを覚えておけば、意味を理解するのはそれほど難しくありません。大切な衣類を長く着るために、洗濯表示を正しく理解し、適切な洗濯・お手入れをするように心がけましょう。
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