わたしたちの生活に欠かせない洗濯機。頻繁に買い替えるものではありませんが、とはいえいつまでも使い続けられるわけでもありません。洗濯機にも寿命があり、寿命を大幅に超えて洗濯機を使い続けると、うまく洗濯ができないなど、何らかの問題が発生する場合があります。
今回は、洗濯機の寿命や買い替えのサインについて解説します。また、洗濯機をできるだけ長く使うために、日頃から気を付けたい使用上のポイントについても紹介します。
<目次>
洗濯機を毎日何度も使用する大家族の家庭と、一人暮らしで2日に1回しか使用しない家庭とでは、もちろん洗濯機の寿命は大きく異なりますので、一概に「洗濯機の寿命は何年」とはいえません。
そこで今回は、メーカーや家電公取協が定めている洗濯機の寿命と、実際に消費者が使用している年数について、その目安を紹介します。
洗濯機の各メーカーは、古い洗濯機を使い続けることによって生じる事故を防止するため、安全に使用できる期間を定めています。本体に貼られたシールの「設計上の標準使用期間」に記載されているので、ご自宅の洗濯機を確認してみてください。製品によって異なりますが、6~7年程度に設定されていることが一般的です。
なお、ここで設定されている使用期間は、日本産業規格JISおよび日本電機工業会によって定められた標準的な使用条件に基づいています。具体的には、温度20度、湿度65%、1日1.5回、標準コースの時間で毎日洗濯した場合の設計標準使用期間です。
また、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)では、家電における修理用部品の最低保有年数を規約で定めており、電気洗濯機は製造打ち切り後6年とされています。
この期間をすぎると部品がなくなり修理できない可能性があることから、製造打ち切り後6年を寿命の目安と考えることもできるでしょう。
メーカーが定める標準使用期間の多くは7年程度ですが、実際の寿命は使用期間とは異なります。
内閣府が実施した2024年3月の消費動向調査によると、2023年4月からの1年間に洗濯機を買い替えた世帯の77.5%が故障による買い替えであり、平均使用年数は10.9年でした。したがって、洗濯機は10年ほど使用すると寿命を迎える可能性が高まることがわかります。
洗濯機を長く使い続けていると、さまざまな症状が出てきます。ここからは、洗濯機における寿命のサインにはどのようなものがあるのか、またサインが出たときにどのように対処すれば良いのかについて紹介します。
そもそも電源が入らない場合や、洗濯の途中で何度も運転が止まったりエラー表示が出たりする場合、洗濯機が寿命を迎えている可能性があります。
洗濯機のパネルにエラーが表示されている場合には、まず取扱説明書を確認して手順に従い処置を行ないます。エラー表示がなく、原因がわからない場合は、下記の項目をチェックしてみてください。
● コンセントに電源プラグがしっかりささっているか
● 洗濯物の位置が片寄っていないか
● 排水口が詰まっていないか
● 洗濯物を多く入れ過ぎていないか
これらの項目をチェックしても特に異常が見られない場合には、洗濯機が故障しているか、寿命を迎えてしまった可能性が高いでしょう。修理を依頼するか、買い替えを検討しましょう。
洗濯機から変な音が出ている場合には、何らかの異常が生じているか、または寿命のサインかもしれません。音の種類ごとに、考えられる原因について紹介します。
ガタガタといつもより大きい音が鳴る場合には、本体が傾いていたり、ガタついていたりすることが原因かもしれません。調整足を回してガタつきをなくし、本体が水平になるように調整してください。
また、洗濯物の入れ過ぎや、洗濯物の位置が片寄ることが原因でガタガタ振動する場合もあります。誤って衣類以外の異物を入れていないかについてもチェックしましょう。
これらを確認しても原因がわからない場合、洗濯機が寿命を迎えた可能性があります。
キュルキュルとした音は、モーターからの動力を伝達するベルトの劣化が原因かもしれません。販売店やメーカーに相談し、点検・修理を依頼しましょう。
不規則にガリガリ音がする場合は、小石や小銭などの異物を一緒に洗濯していることが原因かもしれません。洗濯槽内に異物がなくても、底の回転羽根部分(パルセーター)に入り込んでいる場合があります。コンセントを抜き、回転羽根のネジを外して確認してみてください。
また、音が規則的な場合には、モーターが劣化している可能性があります。メーカーや販売店に点検・修理を依頼することをおすすめします。
洗濯機は、排水の際にポコポコ、ゴボゴボとした音が鳴る場合があります。特に対処は必要ありませんが、排水口が詰まっていると音が鳴りやすいため、こまめに掃除しましょう。
ただし、音があまりにも大きい場合には販売店やメーカーに相談してください。
洗濯槽からカビのような臭いがする場合は、排水口の汚れや洗濯槽に生えてしまったカビが原因かもしれません。排水口を掃除し、洗濯槽は専用のクリーナーでお手入れしましょう。それでも臭いが取れない場合には、洗濯槽の表面だけでなく、奥までカビや腐食が進んでいる可能性があります。奥まで浸食したカビはクリーナーでは取れないため、買い替えを検討することをおすすめします。
また焦げ臭い場合は、部品が劣化して摩耗していることが原因かもしれません。そのまま使い続けることは危険なためすぐに使用を中止し、メーカーや修理業者に相談して部品を交換するか、本体の買い替えを検討してください。
洗濯中に水漏れが起こる場合、どこから水が漏れているのかをまず確認してください。
吸水ホースや排水ホースが劣化して穴が開いていたり、詰まったりしている場合には、ホースを買い替えることにより解決します。また、ホースと本体がうまくつながっていないことで水漏れが起こっている可能性もあるため、しっかりと接続されていることを確認してください。
洗濯機本体から水漏れが起こっている場合には、本体の内部が故障している可能性が高いでしょう。内部の故障は修理が困難なため、買い替えが必要です。
洗濯物がうまく脱水されない場合は、排水口やホースの詰まりが原因かもしれません。排水口とホースが汚れていないか、また詰まりがなく正しく本体と接続されているかを確認しましょう。
また、脱水時に洗濯物が一方に片寄っていると、高速回転ができなくなり、うまく脱水できない場合があります。洗濯物の片寄りを直し、再度脱水を行なってください。
これらの方法を試しても直らない場合には、内部のモーターが故障している可能性があるため、修理や買い替えが必要です。
うまく乾燥できない場合は、まず乾燥フィルターを掃除してください。また、洗濯物を多く詰め込み過ぎると乾燥効果が弱まるため、量を調整してみてください。さらに、洗濯物が絡まって固まっていると乾きムラが生じるので、ほぐしてからやり直してみてください。
これらの原因を解消しても乾燥がうまくいかない場合には、洗濯機が寿命を迎えているかもしれません。
電源コードの変色・発熱は発火する危険があるため、非常に危険です。すぐに使用を中止し、電源プラグを抜いて販売店やメーカーに相談してください。
これまでに紹介したようなサインが出た場合には、洗濯機が故障しているか、寿命を迎えている可能性があります。修理してもらうか、買い替えを検討しなければなりません。
不具合が生じた際に、取扱説明書を見て対処しても直らない場合には、まずは販売店に問い合わせてみてください。販売店の保証期間内であれば、修理を依頼しましょう。
保証期間をすぎている、または保証期間内でも一般的な使用法とは異なる使い方をしていたため保証が効かない場合には、修理の見積もりを依頼し、料金が高いようであれば買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。ただし、見積もりを出すための点検に費用がかかることもあります。
修理して引き続き使用したくても、販売店やメーカーに問い合わせた結果「部品交換で改善が見込めない」といわれた場合や、販売終了から6年が経過し、メーカーが修理用部品を保有していない場合には、洗濯機を買い替えるしかありません。
なお、新しいモデルの洗濯機は省エネ性能が高く、旧型と比べて電気代を抑えられます。日々かかる電気代のことも考慮して、修理と買い替えのどちらを選ぶか判断してみてください。
洗濯機の寿命について説明してきましたが、できれば少しでも長持ちさせたいと思うのではないでしょうか。洗濯機の寿命を延ばし、少しでも長持ちさせるために日頃から気を付けたい6つのポイントについて紹介します。
給水用の元栓を開けっ放しにしていると、給水ホースや洗濯機本体に対して水圧がかかり、劣化しやすくなります。元栓を開けっ放しのまま給水ホースが外れ、水漏れしてしまうこともあるためとても危険です。
洗濯機の元栓は、使用後に毎回閉める習慣を付けましょう。
洗う前に必ず洗濯物をチェックして、異物が入っていないことを確認しましょう。
泥や砂、髪の毛、ペットの毛などを一緒に洗うと、洗濯機が故障する原因となります。ブラシなどでよく落としてから洗濯機に入れてください。ポケットのなかにピンやクリップなどの小物が入っていないかについても確認しましょう。
また、洗濯機本体や衣類を傷めないように、パーカーの紐などは結び、ボタンやファスナーなどは閉めてから洗濯機に入れてください。
洗濯槽にカビが生えると不衛生であることはもちろん、いやな臭いも発生し、気持ち良く使用できなくなります。また洗濯機内部が腐食しやすくなり、想定よりも早く寿命がきてしまうでしょう。
カビが生えないようにするため、使用しないときは常に洗濯機の蓋を開けておいてください。洗面所など洗濯機が置かれた部屋に湿気がこもらないよう、こまめに窓を開ける、換気扇などで換気を行なうなども大事です。
洗濯物を洗濯機のなかに入れっぱなしにすることも、カビが発生する原因となります。洗濯前の洗濯物は別のかごなどに集めておき、洗濯するタイミングで洗濯機に入れ、洗濯の終了後はすぐに取り出すよう心がけてください。
洗濯機を掃除しないままで長く使用していると、カビが繁殖したり、配管やホースが詰まったりして故障の原因となります。定期的に掃除することで、故障を防ぎ長持ちさせることができます。
掃除頻度の目安については下記を参考にしてください。
掃除箇所 | 掃除の頻度目安 |
---|---|
乾燥フィルター(ドラム式) | 使用のたびに確認して汚れていたら掃除 |
排水フィルター・糸くずフィルター | 1週間に1回(洗濯後毎回が理想) |
洗濯槽 | 1~2ヵ月に1回 |
洗剤の投入口 | 1~2ヵ月に1回 |
洗濯機の下 | 1~2ヵ月に1回 |
排水口 | 月に1回 |
排水ホース | 年に1回 |
洗濯機を屋外で使用していると、風雨や日光にさらされて傷みやすくなります。洗濯機はできるだけ屋内で使用するようにしましょう。
屋内に設置スペースがなく、やむをえず庭やベランダに設置する場合には、水やホコリ、日光から洗濯機本体を守ってくれる専用カバーをかけましょう。
洗濯回数を減らそうとして、一度にたくさんの洗濯物を詰め込んでいないでしょうか。洗濯物を入れ過ぎると、洗濯機に負担がかかり、故障しやすくなります。取扱説明書を確認し、定められた量を超えないようにしてください。
また、洗剤の入れ過ぎも良くありません。溶けなかった洗剤の成分が残り、カビの発生原因となってしまいます。必ず適量を守りましょう。
洗濯機の寿命サインや、長持ちさせるためのポイントについて紹介してきました。
メーカーや家電公取協が定める洗濯機の寿命は6~7年、実際の寿命は10年程度です。これを大幅に超えて洗濯機を使用し続けると、何らかの不具合が出やすくなるでしょう。本記事で紹介した洗濯機の寿命サインを参考に、修理や買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
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