洗濯機を使うと服がきれいになるのはなぜ?洗濯機が服を洗う仕組みを解説

毎日使っている洗濯機。ボタンを押すだけで、たくさんの洗濯物がきれいになるとても便利な家電です。


でも、「どうやって汚れを落としているの?」「中で何が起こっているの?」とふと疑問に思ったりしたことはありませんか?


この記事では、そんな洗濯機の仕組みを、分かりやすく解説します。

1.タイプ別!洗濯機が衣類を洗う仕組み

洗濯機が服をきれいにする方法は、実はタイプによって違います。大きく分けて、3つの洗い方があります。

縦型式洗濯機

日本の家庭でよく見られる、上から衣類を入れるタイプです。


洗濯槽の底にあるパルセーターという回転する羽根がグルグルと力強く回り、強い水流を作ります。


この水流によって衣類同士がこすり合う「もみ洗い」という方法で服をきれいにしています。


ドラム式洗濯機

洗濯槽自体が回転するタイプで、ななめ前や真横から衣類を入れます。


ドラム(洗濯槽)自体がゆっくりと回転し、衣類を上まで持ち上げてから下に落とします。


この、上から下に落ちる力を利用して衣類をタライに叩きつけるように洗う方法を「たたき洗い」と呼びます。


少ない水で効率よく洗えるため、節水になるのが大きな特徴です。

二槽式洗濯機

洗濯槽と脱水槽の2つに分かれているタイプです。


洗濯槽での洗い方は縦型と似ており、パルセーターが回って水流を起こす「もみ洗い」をします。


洗い終わったら、手動で衣類を隣の脱水槽に移し替えて脱水する必要があり、構造がシンプルで、洗いと脱水を同時に行うこともできます。


2.乾燥機能の仕組み

洗濯だけでなく、乾燥機能にも種類があります。

ヒーター式乾燥

電気ヒーターを発熱させ、ファンで熱風をドラム内に送り込むことで衣類を乾かす仕組みです。


ドライヤーのように、ヒーターによって直接温められた空気がドラム内へ供給され、温度は約80℃前後に達します。


気化して発生した高温多湿な空気の処理は2通りのパターンがあります。


湿った空気に水道水を接触させて冷やすことで結露させ排出する水冷除湿か、湿気をそのまま機外へ排出する空冷除湿によって槽内の湿度を調整しています。


ヒートポンプ式乾燥

エアコンや冷蔵庫と同じ熱交換器の技術を利用して、機内の空気を循環させながら乾かす方式です。


コンプレッサーで圧縮した冷媒の熱を利用して温風を作り、ドラムへ送ります。


衣類の水分を吸って湿った空気は、熱交換器の冷却部を通ることで急激に冷やされ、水分が結露して水となり排出されます。


湿気が取り除かれた乾いた空気は、再び熱交換器の加熱部を通って温められ、ドラムへと戻ります。


この除湿と加熱のサイクルを繰り返しながら、60〜65℃程度の低温風で乾燥を行います。


3.洗濯機を動かす主要部品と役割

パルセーター

縦型洗濯機の洗濯槽の底に取り付けられている、凹凸のある円盤状の回転羽根のことです。


洗濯工程に入るとモーターからの動力が伝わり、このパルセーターが回転を開始します。右回転と左回転を交互に繰り返す動きをします。


この反復運動によって水と衣類を激しく撹拌(かくはん)し、強い水流を作り出します。


水流が衣類を大きく動かし、擦り合わせることで、手洗いの「もみ洗い」に近い摩擦力を発生させ、汚れを落とす仕組みになっています。

洗濯槽

洗浄と脱水を行うための容器です。

洗濯機の中は二重構造になっており、「外槽」の内側に、「内槽」が設置されています。


内槽の側面には無数の小さな穴が開いているのが特徴です。


「洗い」や「すすぎ」のときは外槽の働きで水を溜めますが、「脱水」の工程に入ると内槽だけが高速で回転します。


回転によって生じる強力な遠心力で衣類が壁面に押し付けられる際、水分だけが側面の穴から外へ向かって勢いよく飛ばされ、外槽との隙間を通って排出されることで脱水が行われます。

給水弁と排水弁

洗濯機は、適切なタイミングで水を出し入れするために2つの重要なバルブを持っています。

給水弁

給水弁は、水道の蛇口と洗濯機をつなぐ部品です。蛇口を開けっ放しにしていても水が勝手に流れ込まないのは、給水弁が閉じているためです。


洗濯機が運転を開始し、給水の信号を受け取ると、電磁石の力で弁が引き上げられ、水が洗濯槽へと注がれます。そして必要な水量が溜まり電気が切れると、バネの力で弁が押し戻されて水が止まる仕組みになっています。


また、この給水弁の入り口部分には、水道水に含まれる微細な鉄サビや砂利が機械内部に侵入するのを防ぐために「給水フィルター」という網が取り付けられています。


排水弁

排水弁は、洗濯槽の底部分に設置された水の出口を管理する部品です。


「洗い」や「すすぎ」を行っている間は、ゴム製の弁が排水口を塞いでいるため、水が漏れ出すことはありません。


そして脱水や排水のタイミングになると、排水モーターがワイヤーを引っ張り、弁を開放します。


これにより、多くの縦型洗濯機では重力を利用して、汚れた水を外へ排出する仕組みになっています。


各種センサー

重量センサー

洗濯運転の開始直後に作動し、投入された衣類の量を計測するためのセンサーです。


給水前の乾いた状態で洗濯槽を回転させ、その際にモーターにかかる負荷を読み取ることで衣類の量を計測する仕組みです。


この計測値に基づいて、最適な水量が自動的に決定されます。


水位センサー

洗濯槽に入った水の量が、設定した高さになったことを感知して給水をストップさせる役割を持っています。


水の高さではなく、空気の圧力を利用して計測しています。


洗濯槽の外側には細いパイプが繋がっており、槽の水位が上がるとパイプ内の空気が圧縮されて圧力が強まります。


水位センサーはこの気圧の変化を敏感に読み取り、「規定の水位に達した」と判断して給水弁へストップ信号を送ります。


温度センサー

洗濯機内部の温度を測定し、その情報を基に運転内容をコントロールするための部品です。

洗濯工程では、給水された水の温度を検知します。水温が低いと洗剤が溶けにくく汚れ落ちが悪くなる傾向があるため、センサーが低温を検知すると、自動的に撹拌(かくはん)時間を調整します。


乾燥工程では、槽内の温度が上がりすぎて衣類を傷めたり発火したりしないよう、熱を監視・制御する安全装置としての役割も果たしています。


4.まとめ

洗濯機は、一見するとボタンを押せば動く便利な箱かもしれません。

しかし、一つ一つの機能にはちゃんとした役割があり、たくさんの部品が連携し合って、複雑な全自動の動きを生み出しているのです。


次に洗濯機のボタンを押すときは、ぜひ中身の働きを想像してみてください。毎日当たり前に使っている家電が、きっといつもと少し違って、面白い存在に見えてくるはずですよ。


この記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンターにご相談していただくことを推奨いたします。



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