自宅の洗濯機についている風乾燥というボタン。
「ヒーター式の乾燥機のようにカラッと乾くわけではないし、一体何のための機能なの?」と疑問に思ったことはありませんか。
風乾燥は、その特性を理解して使いこなせば、毎日の洗濯をサポートしてくれる便利な機能です。
この記事では、洗濯機の風乾燥機能の仕組みや活用方法について詳しく解説します。
<目次>
洗濯機の風乾燥機能とは、ヒーターを使わず、強力な風の力で衣類の水分を吹き飛ばす機能のことを指します。
洗濯槽の高速回転による遠心力と、通気口から取り込んだ常温の風を利用し、衣類の水分を効率よく飛ばす仕組みです。
そのため、ヒーター乾燥のように洗濯物を完全に乾かすことは主な目的ではありません。
あくまでも洗濯物の水分を軽減し、乾きやすい状態にするための補助的な機能、または少量の化学繊維を乾かすための機能と位置づけられています。
「完全に乾かないなら不要なのでは?」と思うかもしれませんが、風乾燥にはヒーター乾燥にはない優れたメリットがあります。
風乾燥のメリットは、電気代の安さです。
衣類を高温で乾かすヒーター乾燥は多くの電力を消費しますが、風乾燥は主にファンを回したり、洗濯槽を回転させたりするための電力しか使用しません。
機種や使用状況にもよりますが、ヒーター乾燥と比較すると電気代を大幅に抑えることができます。
ヒーター乾燥では、高温によって衣類が縮んでしまったり、生地が傷んだりすることがあります。
その点、風乾燥は高温の熱を使わないため、熱による衣類の縮みや生地の傷みのリスクが低いのが特長です。
デリケートな素材や、熱乾燥を避けたい衣類にも比較的使いやすい機能と言えます。
便利な風乾燥機能ですが、使用する際にはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。
風乾燥機能はあくまでも水分を飛ばす機能です。
ヒーター乾燥のように、洗濯物を取り出してすぐにたためるような状態に乾かすことはできません。
風乾燥の後に干す作業が必要になります。
一度に風乾燥できる衣類の量は、通常の洗濯容量よりも少なく設定されている場合がほとんどです。
洗濯物を大量に入れたまま風乾燥をかけても、風が全体に行き渡らず、効果が半減してしまいます。
効果的に使うためには、容量を守り、少なめの量で運転することが大切です。
風乾燥機能は、衣類が湿った状態で風をあてるため、素材によってはシワがつきやすいというデメリットがあります。
特に、綿(コットン)や麻、ニット、ウールなどの素材はシワが残りやすいため注意が必要です。
シワが気になる衣類への使用は避けるか、乾燥時間を短くするなどの工夫が求められます。
風乾燥は、強力な風を発生させるためにファンやモーターを高速で回転させます。
そのため、機種によっては運転音がうるさく感じる場合があります。
早朝や深夜など、音が響きやすい時間帯の使用には配慮が必要かもしれません。
風乾燥機能の仕組みや特徴を理解したところで、具体的な活用方法をご紹介します。
最もおすすめなのが、部屋干しの前処理として使う方法です。
洗濯・脱水の後、風乾燥を30分~1時間程度かけるだけで、衣類に含まれる水分量が格段に減ります。
これにより、部屋干しの時間を大幅に短縮できるだけでなく、水分が残る時間が短くなることで、雑菌の繁殖を抑え、嫌な生乾き臭の予防にもつながります。
ポリエステルなどの化学繊維は、もともと乾きやすい性質を持っています。
綿などとは対照的に、シワになりにくく、風乾燥だけでも比較的乾きやすい素材です。
少量の化繊の衣類であれば、風乾燥で対応できる場合もあります。
風乾燥機能は、槽乾燥モードとしても活用することができます。
洗濯物をすべて取り出した後、一度運転しておくことで、湿気がこもりやすい洗濯槽内を乾燥させることができ、カビやニオイの発生を防ぐ効果があります。
洗濯槽を清潔に保つためにも、ぜひ定期的な運転を習慣にしてみてください。
洗濯機の風乾燥機能は、ヒーター乾燥とは全く異なる特性を持った機能です。
完全に乾かないという点だけ見ると中途半端に感じるかもしれませんが、電気代が安く、衣類が傷みにくいという大きなメリットがあり、部屋干しの時間を短縮したり、洗濯槽のカビを予防したりするなど、活用法は多岐にわたります。
風乾燥は万能な乾燥機能ではなく、洗濯を効率化し、衣類と洗濯機をケアするためのサポート機能です。
風乾燥機能の特性を正しく理解し、デメリットに注意しながら、あなたのライフスタイルに合わせて活用してみてはいかがでしょうか。
ßこの記事でご紹介した内容は、家電製品に関連する一般的な情報をまとめたものであり、全てのメーカー、全ての製品に該当する内容ではございません。また、各メーカーや製品によって定められた取扱方法やメンテナンス方法と異なる対応をした場合は、安全性や品質保証を損なう可能性もございます。詳細はメーカーのサポートセンターにご相談していただくことを推奨いたします。
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