「排水エラーで洗濯機が使えない」「洗濯機周辺から嫌なニオイがする」といった状況に遭遇した場合、排水口で何らかのトラブルが発生しているかもしれません。
洗濯機の排水口は汚れが蓄積しやすいので、定期的に掃除する必要があります。そのため、掃除の手順を押さえておくことが大切です。
今回の記事では、洗濯機の排水口の仕組み、汚れの原因や基本的な掃除方法、排水口トラブルの予防方法について解説します。
<目次>
一般的な全自動洗濯機の場合、蛇口から洗濯槽に水を流して給水し、十分に水が溜まったらモーターの力で衣類を洗浄します。洗濯が終わったら、洗濯機は排水弁を開いて洗濯槽内の水を外に出し、この水が排水ホースを通って排水口へ流れます。
排水口の下には「排水トラップ」という洗濯機の排水ホースを接続するための設備があり、常に一定量の排水が溜まるような構造になっています。溜まった排水が「水の蓋」という役割を担うことで、結果として下水臭や害虫・害獣の侵入を防いでいます。
しかし、排水トラップの大半はS字構造やお椀型構造であり、形状的に排水口の詰まりなどが起こりやすいので、注意しなければなりません。
排水エラーや悪臭といったトラブルは、排水口に蓄積した汚れが引き起こしているケースが多く見受けられます。
汚れのおもな原因は「洗濯排水」です。洗濯後に出てくる洗濯排水には、以下のような不純物が含まれています。
・ 洗剤カス
・ 糸くず
・ 綿ぼこり
・ 髪の毛
・ ペットの毛
・ 皮脂汚れ
・ 洗濯物に付着していた砂や泥
これらの不純物はゴミ取りネットや糸くずフィルターがある程度せき止めてくれますが、すべて取り除けるわけではありません。除去できなかった細かい汚れは排水口へと流れて、少しずつこびりついて蓄積してしまいます。
濯機の排水口が汚れているかどうかは、外から見るだけだとわかりにくいうえ、排水口自体が狭いスペースに設置されていることが多いため、掃除も怠りがちです。しかし、最低でも月1回は掃除しないと、排水口関連のトラブルが起こる可能性もあります。
「そもそも排水口は汚れやすい」ということを念頭に置いて、定期的な掃除を心がけましょう。
洗濯機の排水口の汚れはわかりにくい部分ですが、汚れを放置した場合、以下のような排水口トラブルが発生しやすくなります。
・ 排水の逆流
・ 排水エラー
・ 悪臭
各トラブルの概要や注意点をまとめます。
排水口の汚れが蓄積すると、排水の逆流が起こる可能性があります。ゴミや糸くずが排水口に詰まって流れを阻害した結果、排水トラップから汚れた水があふれ出てしまうというトラブルです。
少量の排水なら防水パンで受け止められるので、あまり大きな被害は起こりません。しかし、大量の排水が逆流してきたり、あるいは防水パン自体を設置していなかったりする場合、床や壁に浸水してしまうため、シミや腐食を引き起こしかねません。
特にマンションやアパートといった集合住宅の場合、排水が床へあふれ出てしまうと、階下まで浸水被害が広がる可能性もあります。このような水漏れ事故は損害賠償などにつながるケースも多いため、集合住宅に住んでいる方は注意しましょう。
排水口が詰まってしまった場合、洗濯機の脱水中に排水エラーが発生するケースもあります。洗濯槽内から排出された水がうまく流れず、排水ホース内に溜まってしまうといった原因で起こるトラブルです。
排水エラーは「排水不良で正常稼働できない」という通知なので、必ずしも故障しているわけではありません。しかし、排水エラーと表示されているにもかかわらず、無理やり脱水などを行った場合、洗濯機本体が故障してしまう可能性もあります。
排水エラーが起こった際は、排水口や排水ホースの状態を確認し、必要に応じて排水口の掃除や、排水ホースのよじれ・つぶれ・浮き上がり等をなくして、排水エラーの原因を取り除くことが大切です。
なお、排水エラーに関するエラーコードはメーカーによって異なるため、説明書などで確認しましょう。
排水口の汚れを放置した場合、洗濯機周辺に下水のような悪臭が漂うこともあります。
先述したように排水トラップは常に一定量の排水を溜めており、これが蓋になって排水口からの空気をシャットアウトしているため、本来なら悪臭は発生しません。しかし、詰まりなどが原因で排水トラップの水が減少すると、空気の通り道ができるため、結果的に配管内の悪臭が逆流してしまうのです。
また、排水トラップに水が溜まらなくなった場合、雑菌やカビが繁殖するだけではなく、ゴキブリやネズミなどが発生する可能性も高まります。衛生環境が悪くなるのはもちろん、心理的なストレスが生じてしまうため、嫌なニオイを感じたら早めに掃除し、根本原因を取り除くことが大切です。
洗濯機の排水口を掃除する際は、あらかじめ以下のような準備をしましょう。
・ 掃除道具を用意する
・ 洗濯機の電源を切って蛇口も閉める
・ 排水口の各パーツを取り外す
それぞれ何をすればいいのか具体的に解説します。
自分で排水口を掃除する場合、まずは掃除道具をそろえる必要があります。用意する道具名と用途は以下のとおりです。
・ パイプ洗浄剤
排水口に流し込んで汚れを落とします。
・ 浴室用洗剤
排水口の各パーツの汚れを洗い落とす際に使用します。
・ ブラシ・スポンジ
排水口の汚れを直接落とす際に使用します。使わなくなった歯ブラシもおすすめです。
・ バケツ・たらい(2個以上)
排水ホースの残留水を受け止めたり、排水口の各パーツを浸け置きしたりする際に使用します。
・ ゴム手袋
薬剤や汚れが手に付着することを防ぐために使用します。
・ 雑巾(複数枚)
床への浸水を防ぐために敷いたり、作業中に汚れなどを拭いたりするために使用します。
なお、パイプ洗浄剤や浴室用洗剤については、ホームセンターやドラッグストアで購入できる市販品で構いません。
洗濯機の周りは水気が多いので、電源をオンにしたまま掃除すると、感電や漏電の危険性があります。そのため、排水口を掃除する際は、必ず洗濯機の電源を切ったうえで、コンセントから電源プラグも抜いておきます。洗濯機周辺に電化製品を置いている場合、可能なら離れた場所に移しましょう。
また、掃除中に水が漏れてしまうケースもあるため、洗濯機の蛇口をきちんと閉めておくことも大切です。蛇口を開けたまま掃除して床が濡れると、掃除の手間が増えてしまいます。
洗濯機用に設けられた排水口の場合、排水ホース・排水エルボ・封水筒・泡防止パイプなど、複数のパーツから構成されているタイプが一般的です。排水口を掃除するためには、これらのパーツを上にあるものから順に取り外す必要があります。
各パーツの取り外す際の手順は以下のとおりです。
1. 排水口内にゴミや洗濯バサミが落ちないよう、排水口周辺を掃除しておく
2. 床が水で濡れないよう雑巾を敷いておく
3. 排水エルボから排水ホースを取り外す
4. 排水ホース内に水が残っている場合、バケツなどで受ける
5. 排水口から排水エルボを引き抜いて外す
6. 排水トラップの目皿を取り外す
7. 仕切筒・封水筒・泡防止パイプなど、外せるパーツをすべて取り外す
8. 取り外した各パーツはバケツなどに入れてまとめる
各パーツを取り付ける場合、上記と逆の手順で対応します。取り付ける順番やパーツの向きが重要なので、取り外す際にスマートフォンなどで手順を撮影しておくと安心です。
洗濯機の排水口を掃除する際は、基本的に以下のような手順で作業します。
1. 排水口内にパイプ洗浄剤を注入する
2. 排水口の各パーツを掃除する
3. 排水口内を水で洗い流す
4. 排水口の各パーツを取り付ける
各手順の概要を解説するので、こちらもご確認ください。
先述の手順で排水口の各パーツを取り外したら、排水口内にパイプ洗浄剤を注入します。薬剤を流し込んだら15~30分ほど放置しますが、製品によって使用量や規定時間は異なるため、事前に確認することが大切です。
規定時間を超えても放置すると、逆に排水口が詰まってしまうケースもあるので、必ず定められた時間を守りましょう。
また、塩素系洗剤のパイプ洗浄剤とほかの酸性洗剤が混ざった場合、化学反応によって有害な塩素ガスが発生する可能性もあるため、取り扱いには注意が必要です。
パイプ洗浄剤の規定時間を待っている間、事前に取り外した排水口の各パーツを掃除します。まずは付着したゴミやヘドロを取り除いて、ゴミ袋に捨てましょう。
次にバケツなどに水を溜めて、浴室用洗剤を溶かします。そして、洗剤入りの水にパーツを入れて、しばらく浸け置きすると黒ずみや水垢といった汚れが浮いてくるため、さらにブラシやスポンジで残った汚れを落としましょう。
なお、排水口のパーツの大半はプラスチック製なので、破損に注意しましょう。
パイプ洗浄剤の規定時間が終わったら、排水口内に水をゆっくりと注ぎ入れて、薬剤を洗い流しましょう。この作業を忘れると溶けた汚れが固まり、詰まりの原因になってしまいます。
水量はバケツ2杯程度が目安ですが、一気に注ぎ入れると排水口からあふれ出てしまう可能性もあるため、コップなどを使って数回に分けて洗い流すといいでしょう。
排水口内の薬剤をしっかり洗い流したら、先述したように取り外した際と逆の手順で各パーツを取り付けます。取り付けの順番やパーツの向きを間違えてしまうと、途中でパーツを装着できなくなったり、排水口が正常に機能しなくなったりするため、作業時は十分に注意しましょう。
また、排水エルボを取り付ける際は、事前に排水トラップへ水を注入しておきましょう。これにより配管内から悪臭が逆流しなくなるので、嫌なニオイを防ぐことができます。
洗濯機の排水口トラブルを防ぐためには、以下のような方法があります。
・ 定期的なお手入れを心がける
・ 洗濯ホースを交換する
ちょっとした作業でも十分な効果が見込めるので、ぜひ参考にしてください。
排水口の汚れが蓄積してから掃除するのではなく、普段から定期的なお手入れを行うことで、トラブルを未然に防げるようになります。洗濯槽・ゴミ取りネット・糸くずフィルターなど、排水口以外の部分に付着したゴミや汚れもこまめに取り除きましょう。
このようなお手入れを怠ると、排水口が詰まりやすくなるだけではなく、洗濯後の仕上がりも悪くなってしまう可能性があります。衣類をきれいにするためにも、洗濯機本体と排水口は常に清潔に保ちましょう。
排水口に接続されている排水ホースも汚れが蓄積しやすく、詰まりが起こってしまうこともあります。2~3年ほど使用していて汚れが激しい場合、排水口に汚れを流さないためにも、新しいものに交換したほうがよいでしょう。
排水ホースはホームセンターなどで購入できますが、対応した製品が見当たらない場合、メーカーに問い合わせることをおすすめします。
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洗濯機の排水には、洗剤カスや糸くず、皮脂汚れといった不純物が含まれています。それが排水口に流れると汚れが溜まって、排水エラーや悪臭といったトラブルを引き起こす原因になるため、定期的なお掃除をおすすめします。
掃除自体は難しい作業ではないので、自分でも取り組めます。洗濯機関連のトラブルを防ぐためにも、この機会に排水口をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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