ポイント1.
自分に合った容量
冷蔵庫の容量は、家族の人数や生活スタイルに合わせて選びましょう。一般的に、自炊をする前提で一人暮らしなら200~300L、二人暮らしなら300~400L、家族が3人以上いる場合は400L以上が目安です。しかし、より正確に自分に合った容量を選ぶためには、以下の計算式を活用するのも有効です。
【計算方法】
人数×70L:一人あたりの目安容量(70リットル)
常備品120~170L:家庭に常にストックされる食品や飲料の容量
予備100L:季節のイベントや特別な機会のための予備容量
この計算式に当てはめると、例えば4人家族の場合、次のようになります。
4人 × 70L + 120~170L + 100L = 500~550L
このように、家族の人数やライフスタイルを考慮して、最適な容量の冷蔵庫を選ぶことができます。また、食材を多めにストックしたり、まとめ買いをする家庭は、少し大きめの容量を選ぶと良いでしょう。
自炊をする場合
自炊をする家庭では野菜や肉、魚など多様な食材を保存する必要があるため、冷蔵室や冷凍室が充実したモデルを選ぶと便利です。特に作り置きや冷凍保存をよく行う場合、大容量の冷凍室があると食材管理がしやすくなります。
外食が多い場合
一方で、外食が多い方や、食材をあまり自宅にストックしない生活スタイルの場合は、上記の計算式よりも小さめの容量でも十分対応できます。
一人暮らし:150L前後
二人暮らし:250L前後
家族(3人以上):350L前後
外食中心の生活では、主に飲み物や軽食、調味料などを保存することが多くなるため、コンパクトなサイズの冷蔵庫でも日常生活に支障がありません。また、小型の冷蔵庫は省エネ性能が高いものも多く、電気代の節約にもつながります。
ポイント2.
冷蔵庫のドアの開き方
冷蔵庫のドアの開き方は主に3種類あります。キッチンのレイアウトに合わせて選ぶことで使いやすさが向上します。
片開きドア
ドアが一方向に開くタイプで、「右開き」と「左開き」の2種類があります。右開きはドアが右側に、左開きはドアが左側に開くので、設置場所に合わせて選びましょう。例えば、右側に壁がある場合は左開き、左側に壁がある場合は右開きを選ぶと、スムーズな開閉が可能です。
観音開き(フレンチドア)
扉が左右に分かれており、両側に開くタイプ。大型冷蔵庫によく見られるデザインです。片方のドアだけを開けて中の物を取り出せるため、省スペースで使いやすいのが特徴。冷蔵室全体を広く見渡せるため、整理整頓がしやすいメリットもあります。
両開きドア
扉が1枚で、左右どちらからでも開けられるタイプのドアです。このタイプの冷蔵庫は、設置場所に関係なく、自由にドアを開けることができるため、キッチンのレイアウトに縛られずに設置可能です。また、どちらの手でも開閉しやすいのが特徴。
ポイント3.
冷蔵庫の本体サイズと
設置・搬入時のスペース
冷蔵庫を購入する前に、設置場所のスペースを正確に測定しましょう。冷蔵庫本体の高さ・幅・奥行きが設置場所に適合するかのほか、搬入経路の幅や階段のサイズも考慮に入れておくことで、購入後に搬入できないなどのトラブルを避けられます。特に、ドアの開き方や搬入時に通る経路が十分に確保されているかを必ず確認しましょう。
冷蔵庫を設置する際に注意したいのが、冷蔵庫の放熱スペースです。冷蔵庫は内部を冷やすために、外部に熱を放出しています。この放熱がうまく行われないと、庫内の冷却効率が低下し、結果的に冷蔵庫がより多くの電力を消費することになります。さらには、冷蔵庫の故障や寿命の短縮にもつながる可能性があります。
放熱スペースを確保するために、冷蔵庫の周囲には背面5cm以上、側面1~2cm以上、上部5cm以上のスペースを空けることが推奨されています。
これらのスペースを空けることで、冷蔵庫が効率よく熱を放出できるようになり、冷却性能を最大限に発揮します。また、適切な放熱スペースを保つことで、電気代の節約にもつながります。
ポイント4.
消費電力・省エネ性能
の確認
冷蔵庫は24時間365日稼働する家電のため、電力効率を考慮して選びましょう。冷蔵庫の省エネ性能は「年間消費電力量」(kWh)で表示されており、これを基に年間の電気料金をおおよそで計算できます。冷蔵庫の消費電力量は、冷蔵庫内のラベルか、購入前であれば製品の公式サイトやカタログに記載されていますので必ず確認しましょう。
年間消費電力量が記載されています。
計算方法は「年間消費電力量(kW)×消費電力料金単価(円/kWh)」で求められ、例えば、年間消費電力量が293kWh、電気料金単価が31円(税込)/kWhの場合、293kWh × 31円 = 9,083円となり、年間電気代は9,083円です。
ただし1kWhあたりの電力料金は全国共通ではありません。正しい料金単価は契約している電力会社や料金プラン、地域によって異なります
省エネ性能の高い冷蔵庫は、年間消費電力量が少なく抑えられており、結果的に電気代も安くなります。また、エコモードやインバーター技術を搭載した冷蔵庫は、運転効率が高く、使用状況に応じて無駄なエネルギー消費を抑えます。最新モデルは省エネ性能が向上しており、長期的には電気代を大幅に削減できるため、初期コストが高くても省エネ型冷蔵庫の導入が推奨されます。
ポイント5.
野菜室・チルド室
の有無
冷蔵庫には、通常の冷蔵室に加えて、野菜を新鮮に保つ「野菜室」や、肉や魚を適温で保存できる「チルド室」が搭載されていることがあります。これらは、食品の質と鮮度を保つために非常に便利で、食材を無駄なく消費できるように工夫されています。
野菜室は、野菜や果物を新鮮に保つために設計されたスペースです。野菜や果物は乾燥すると鮮度が落ちやすいため、野菜室は冷蔵室よりも高めの温度(約3〜9℃)と湿度(約20~50%)に設定されており、葉物野菜や水分が多い果物を長期間保存するのに適しています。適切な湿度で保存することで、野菜や果物がしおれることなく、栄養価を維持しながら保存できるのが特徴です。
一方、チルド室は、冷蔵室よりもやや低温(約0〜3℃)に設定されており、肉や魚などの生鮮食品を凍らせずに保存するのに最適です。チルド室は、生鮮食品を短期間保存したい場合や、解凍しないでそのまま調理したい食材に適しています。通常の冷蔵室よりも温度が低いため、食品の劣化を抑え、鮮度を長く保つことが可能です。
自炊が多い方や新鮮な食材をよく使う方は、野菜室やチルド室が付いているモデルを選ぶことをおすすめします。
ポイント6.
冷凍室と野菜室
の位置
冷凍室と野菜室の位置は、日常的な使い勝手に大きく影響します。ライフスタイルや料理の頻度に応じて、冷凍室と野菜室の位置も考慮しましょう。
冷凍室や野菜室が高い位置にあるとラクな姿勢で出し入れできます。
冷凍室をよく使う
冷凍食品やアイスクリーム、冷凍肉などを頻繁に使用する方には、冷凍室が上部にあるモデルが便利。この配置は、冷凍室が目の高さに近い位置にくるため、冷凍食品を取り出す際に腰をかがめる必要がなく、非常に使いやすくなります。特に、冷凍食品を日常的に使用する家庭や、料理の準備を効率化したい方にとっては、このタイプが最適です。
また、冷凍室が上部にあることで、冷蔵庫全体の重心が下がり、冷蔵庫を安定して使用できるというメリットもあります。頻繁に使う食品が目に入りやすく、在庫管理も簡単になるため、冷凍食品の消費サイクルをスムーズに保てます。
野菜室をよく使う
一方、野菜を頻繁に使用する方には、野菜室が中部や上部に配置されたモデルが適しています。野菜室が目の高さに近い位置にあることで、野菜を取り出す際に楽な姿勢で作業ができ、頻繁に使用する野菜が一目でわかるため、使い勝手が非常に良いです。また、野菜の鮮度を保ちやすい設計が施されているモデルも多く、特に野菜中心の食生活を送る家庭にとっては大きなメリットとなります。
さらに、野菜室が上部に配置されていると、野菜を押し込まずに余裕をもって収納できるため、野菜が傷みにくく、長期間新鮮に保つことができます。
ポイント7.
冷蔵室の機能
冷蔵室には、各メーカーが独自の技術を取り入れたさまざまな機能があります。
温度調節機能
食品の鮮度を最大限に保つために、冷蔵室の温度を手動で調節できるようになっています。保存する食品に応じて最適な温度に設定できます。
デジタル表示
最近の冷蔵庫には、デジタル表示パネルが搭載されているモデルが増えています。このパネルは、冷蔵室の温度を視覚的に確認したり、簡単に温度設定を変更できるため、正確な温度管理が可能になります。
除菌機能
冷蔵室内の空気や食品に付着した細菌や冷蔵庫内のイヤな臭いを軽減するのが除菌機能です。多くのモデルでは、光触媒やプラズマクラスターなどの技術を利用して除菌を行い、食品の劣化を抑えます。
多段階調整棚
冷蔵室内の棚を自由に調整することで、大きな鍋や背の高いボトルなど、さまざまな形状の食品や容器が出し入れしやすくなります。また、棚の取り外しが簡単にできるため、庫内のお手入れもしやすいのが魅力。
ポイント8.
冷凍室の機能
冷凍室も冷蔵室同様、多彩な機能が備わっています。
急速冷凍機能
食品を短時間で急速に冷凍する機能で、食品の風味や食感が良い状態で保たれます。まとめ買いした肉や魚、作り置きのおかずをすぐに冷凍保存したい場合に特に便利です。
切り替え機能
冷凍室の一部または全体を冷蔵室として使用できる機能です。例えば、夏場には冷凍食品を多くストックするために冷凍室として使用し、冬場には余った冷凍スペースを冷蔵室として使うなど、利用シーンに合わせて収納スペースを最大限に活用できます。
自動製氷機能
水タンクに水を入れておくだけで、冷凍室内に氷が自動的に生成され、常に新鮮な氷をストックできます。特に、暑い季節や頻繁に飲み物に氷を使う家庭では、この機能が重宝します。